カートは空です。
商品103/1135
エルサレムの一種の模造建築、聖地パレスティナの代用巡礼施設、プロテスタントに対するカトリックの要塞などさまざまに解釈されてきた宗教施設「サクロ・モンテ」。その起源は、聖地巡礼の実践の必要性が次第に失われた中世以降、危険な長旅を敢行できない者に巡礼の機会を提供すべく導入された代用の巡礼地の最終形態、「代用エルサレム」にある。中世西欧の巡礼や聖地模造の伝統を受け継ぎ、北イタリアの宗教的諸事情の中で独自の近世的形態を獲得したその歴史を明らかにする。
関根浩子(せきね・ひろこ)1963年、埼玉県生まれ。崇城大学芸術学部美術学科教授。筑波大学大学院芸術学研究科博士後期課程修了後、同大学院博士特別研究員など公設・私設の研究員などを経て現職。専門は西洋美術・文化史(特にイタリア)、日本近代美術・文化史。訳書に『キリストの受難 十字架の道行き―心的巡礼による信仰の展開』(勉誠出版、2016年)、最近の論文に「日本における模造ルルド発生考―パリ外国宣教会の日本における再布教との関係から」(『崇城大学芸術学部研究紀要』、2014年)などがある。