日本語特有の音韻現象である連濁は、国内外の研究者のみならず、日本語指導者にも常に注目されてきたテーマである。しかし、その発生条件、発生要因や、日本語全体に及ぶものであるのかという疑問については、今もなお明らかになっていない点が多い。
本書は、悉皆調査を行うことで、現代日本語における連濁現象の全体像を体系的に描き出し、「連濁」「非連濁」の出現を明確な数値で示すことで、客観的な理論化を可能にした。そのうえで、表現上の運用面から連濁現象をとらえ、これまでなされてこなかった統一的な原理による検証を試みる。
今後の連濁研究の基盤となる、挑戦的な一冊。
データベースをCD-ROMとして収載。『現代新国語辞典』の見出し語、全語例を語構成別、語種別に並べ替えて検討することが可能。さらに『日葡辞書』との比較により、通時的な研究にも用いることができる。
*連濁とは
「くさ(草)」+「はな(花)」=「くさばな(草花)」のような、二つの語が結びついて一語になる際に、後ろの語の語頭の清音が濁音に変化する日本語における現象のこと。