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平安時代末期の言語を反映しているとされ、その文体・語彙・表記の特殊性から、日本語史研究における貴重な資料の一つである『今昔物語集』。本書は、その個別事例を丹念に読み解き、状態化アスペクト形式の定着、漢字片仮名交り文という表記法、話末形式句、仏教用語の受容といった、日本語の歴史を考える上で欠かすことのできない多数のトピックから、『今昔物語集』の構文を解き明かす。
高橋敬一(たかはし・けいいち)1952年、福岡県生まれ。熊本大学大学院修士課程修了。活水女子大学文学部教授。専門は日本語学。主な著書に、『九州方言の史的研究』(共著、桜楓社、1989年)、『『交隣須知』本文及び索引』(編著、和泉書院、2003年)、『筑紫語学論叢Ⅱ―日本語史と方言―』(共著、風間書房、2006年)などがある。