シャンハイモダン リョウユウガホウノセカイ

上海モダン 『良友』画報の世界

孫安石・菊池敏夫・中村みどり 編
ISBN 978-4-585-22208-8 Cコード 3022
刊行年月 2018年4月 判型・製本 A5判・上製 504 頁
キーワード 評論,出版,美術,中国,東アジア,近代

定価:7,480円
(本体 6,800円) ポイント:204pt

 品切 
書籍の詳細
大衆雑誌から読み解く、上海の生活空間―

1920~1940年代に中国で刊行されていた雑誌『良友』画報には、文学や映画、演劇、美術・芸術だけでなく、政治や産業、スポーツや旅行、食文化といった幅広い記事が、多くの写真とともに掲載されていた。
戦争と革命の時代に刊行され、中国の都市はもちろん、アジア、欧米にまで広く流通していたグラフ雑誌から、大衆消費社会到来の様相と、当時の人々の日常生活を読み解く。

 

 

目次
カラー口絵
序文に代えて―上海モダンへの誘い

第一部 『良友』画報を読み解く
良友全国撮影旅行団と『中華景象』の刊行―撮影と近代国家の発見 孫安石
 【コラム】中国のロバート・キャパ―王小亭 中田 崇
『良友』画報と「大上海計画」 陳祖恩(菊池敏夫訳)
 【コラム】上海租界の鉄門(一九二五~一九四六年)と『戦事画刊』 馬軍(孫安石訳)
『良友』画報と読者の声 孫慧敏(中村みどり訳)
 【コラム】『良友』と音楽楽譜の出版について 孫安石
新文学と商業メディアの交錯―『良友』画報と鄭伯奇および現代派の作家たち 中村みどり
 【コラム】良友公司と丁玲 江上幸子
『良友』に命を吹き込む―編集者、万籟鳴の仕事 城山拓也
『良友』の表紙に見るモダン・デザインの受容 田島奈都子

第二部 『良友』画報の経営とその周辺
「良友」の会社経営と組織の再生 林美莉(米井由美訳)
 【コラム】『良友』にみる食文化について 岩間一弘
『良友』画報の海外販売網―「上海版」から「海外版」への連続と断絶 村井寛志
 【コラム】戦時宣伝としての『良友』画報―日本側の史料の紹介及び批判 髙綱博文
『良友』画報と『申報図画週刊』 菊池敏夫
 【コラム】アンナ・メイ・ウォンの「帰郷」―一九三六年の中国への旅 鈴木直子
もう一つの『良友』―梁得所と画報『大衆』について 森平崇文
 【コラム】画報の母―梁得所 みずのとう
画報と画家―『良友』画報にみる嶺南画派の画家たち 呉孟晋
『良友』画報と『日本人生活』における日本表象 石川照子

第三部 資料編
『良友』画報の総目次
『良友』画報における飲食関連記事目次
『良友』画報における演劇関連記事目次
『良友』画報における美術関連記事目次

あとがき
執筆者略歴
人名・事項索引
プロフィール

孫安石(そん・あんそく)
神奈川大学外国語学部教授。専門は中国近代史、上海都市史、租界史研究。
主な著作に、『増補改訂 戦争・ラジオ・記憶』(共編、勉誠出版、2015年)、『近現代中国人日本留学生の諸相』(共編、御茶の水書房、2015年)、『近代中国都市案内集成 上海編』(監修、ゆまに書房、2012年)、『租界研究新動態』(共編、上海人民出版社、2011年)、『『良友』画報とその時代』(共著、『アジア遊学』103号、勉誠出版、2007年)などがある。

菊池敏夫(きくち・としお)
神奈川大学特任教授。専門は中国近現代史、上海都市文化史。
主な著作に、『図像与商業文化』(共著、香港大学出版社、2014年)、『民国期上海の百貨店と都市文化』(研文出版、2012年)、『戦時上海』(共著、研文出版、2005年)、『上海 職業さまざま』(編著、勉誠出版、2002年)、論文に「永安公司遊芸場『天韵楼』の閉鎖と上海市社会局」(『人文学研究所報』第58号、神奈川大学、2017年9月)などがある。

中村みどり(なかむら・みどり)
神奈川大学外国語学部准教授。専門は中国語圏近現代文学、日中比較文学・文化、留学生史。
主な著作に、「《蝴蝶夫人》―従好莱塢電影到施蟄存与穆時英的小説」(『現代中文学刊』第44期、華東師範大学出版社、2016年)、「淪陥上海的叙述与故事―陶晶孫的文学陣地」(『史料与闡釈』第4期、復旦大学出版社、2016年)、「大学オーケストラから左翼演劇へ―芸術劇社における陶晶孫の音楽活動」(『人文研究』第191号、2017年)などがある。

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