極彩色の絵画と共に読み解く釈迦の一代記
釈迦の一代記「仏伝」は様々にかたちを変え、世界に浸透していった。
ボドメール美術館蔵奈良絵本「釈迦の本地」は、誕生から出家、成道、涅槃までのその物語を、極彩色の挿絵とともに描いたもの。
浄土教学に即した仏典解釈を背景とすると思われる特異な本文、また、釈迦の修行を妨げる外道を西洋人風の造形によって描くなど、当時の世界認識をも垣間見ることの出来る逸品である。
[本書の特色]
・スイス・ジュネーブに所在するボドメール美術館所蔵の貴重奈良絵本『釈迦の本地』の全編を原色にて本邦初公開。釈迦の一代記を美麗な絵画、本文とともに楽しむことが出来る。絵解きにも最適な一書。
・原本と対照して物語を容易に読み進められるよう、詞書の下に対応する翻刻を附した。
・絵画部分は1ページ大に大きく示し、細部が確認できるよう配慮した。また、詳しい場面解説を附した。
・釈文に加え、諸本との対照を含めた詳細な語註を附した。今後の仏伝研究の基礎資料としても有益。
・説話文学・仏教文化に精通した第一人者による解説を附した