世界宗教のダイナミズムを探る―
中国における経典漢訳事業を経て、朝鮮半島、そして日本へと広まった世界宗教・仏教。
仏教のもつダイナミズムは、新たな思想・文化を伝えるものとして、また、宗義上の疑問解決の指針として、ヒト・モノの移動と交渉を伴いながら、その後も東アジア世界に影響を与え続けた。
7~13世紀の東アジア世界において、仏教はどのように受容され、展開していったのか。
東アジア各国・各地におけるそれぞれの歴史的状況を把捉することで、王権・民衆による選択と咀嚼、儀礼や制度との関わり、交易世界をつなぐ役割など、仏教を媒介として立ち上がる東アジア世界のあり様を立体的に浮かび上がらせる。