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古典文学の常識を疑う Ⅱ

縦・横・斜めから書きかえる文学史
松田浩・上原作和・佐谷眞木人・佐伯孝弘 編
ISBN 978-4-585-29183-1 Cコード 1091
刊行年月 2019年9月 判型・製本 A5判・並製 256 頁
キーワード 古典

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

「令和」は日本的な年号か?
AIで『竹取物語』を読むと何がわかるのか?
『平家物語』の作者を突き止めることはできるのか?
江戸時代の人々は怪異を信じていたのか?
三島由紀夫は古典をどう小説に生かしたか?


定説を塗りかえる57のトピックスを提示。
通時的・共時的・学際的な視点から文学史に斬り込む!

 

 

目次
はじめに

第一部 上代文学
『古事記』・『日本書紀』の思想 呉哲男
『古事記』の〈神話〉はいかにして生まれたのか 松本直樹
『古事記』の構成要素が系譜と物語なのはなぜか 谷口雅博
『日本書紀』の編述者の知の基盤はどのようなものか 山田純
『万葉集』の書記と表現はどのようなものか 松田浩
新年号「令和」の典拠は現代に何を語りかけるのか 松田浩
大伴家持は『万葉集』の完成にどう関わったのか 鉄野昌弘
『風土記』と『古事記』・『日本書紀』で神話はどう異なるか 神田典城
『風土記』から見える日本古代 森陽香
〈◎時代横断テーマ〉日本の神話はどのように変貌してゆくのか 斎藤英喜
〈◎時代横断テーマ〉『日本書紀』はどのように読まれたのか 金沢英之
〈◎時代横断テーマ〉懐風藻と東アジア 高松寿夫
〈◎時代横断テーマ〉『万葉集』はどのように読まれてきたのか 新沢典子
〈◎時代横断テーマ〉国語教科書で『万葉集』がどこまでわかるのか 梶川信行
〈◎時代横断テーマ〉『風土記』はどのように読まれたのか 兼岡理恵
〈◎時代横断テーマ〉『日本霊異記』は「日本」の仏教説話集か 山口敦史

第二部 平安朝時代文学
かぐや姫の求婚者達はどのような結末を迎えたのか 岸川大航
物語は離婚と財産分与をどう書いたのか 湯淺幸代
和歌に女歌・男歌はあるのか 高木和子
女流日記は女が女のために書いた文学か 竹内正彦
紫式部はどのような宮廷女房生活を送ったのか 高橋麻織
『源氏物語』はなぜ中世に学問となったのか 武藤那賀子
女人往生・出家作法と疑偽経典は日本人の精神史をどのように描いたか 上原作和
平安才女と歳の差婚 阿部好臣
枕草子はほんとうに清少納言が編集したものか 山中悠希
『更級日記』作者・菅原孝標女は本当に『浜松中納言物語』の作者か 福家俊幸
『今昔物語集』の東アジア世界はどのように形成されたか 高陽
〈◎時代横断テーマ〉『大鏡』『栄華物語』が国語教材に選ばれるのはなぜか 中島和歌子
〈◎時代横断テーマ〉日記文学はなぜ巻子装から冊子本に書写されたのか 佐々木孝浩
〈◎時代横断テーマ〉三島由紀夫は古典をどのように小説化したのか 伊藤禎子

第三部 中世文学
京極派和歌の独自性とは何か 阿尾あすか
『平家物語』の典拠としての早歌 岡田三津子
擬古物語を文学史にどう位置づけるか 中島正二
『方丈記』『徒然草』は禅宗とどうかかわるのか 荒木浩
『平治物語絵巻』は何を表現しているのか 滝澤みか
『平家物語』の「作者」をどう考えるか 松尾葦江
『平家物語』は女人往生をどのように描いているか 森誠子
『曾我物語』はどのように語られたか 二本松康宏
『義経記』と語り物はどのように関わるのか 佐谷眞木人
切支丹能は存在したか 宮本圭造
世阿弥の「幽玄」「夢幻能」「歌舞能」を問い直す 重田みち
お伽草子はどのように異界・異国を表現しているか 宮腰直人
〈◎時代横断テーマ〉民俗学は説話文学の研究にどのような影響を与えたか 伊藤慎吾
〈◎時代横断テーマ〉『百人一首』はなぜ流行したのか 谷知子

第四部 近世文学
『奥の細道』のネットワークの意味 玉城司
本居宣長が文学研究に果たした役割は何か 杉田昌彦
狂歌に文芸性はあるのか 小林ふみ子
「仮名草子」をどのように定義すべきか 柳沢昌紀
秋成の学問は創作とどう関わるのか 飯倉洋一
江戸時代の人々は怪異を信じていたのか 佐伯孝弘
草双紙における絵と文はどう関わるのか 佐藤至子
「作者近松門左衛門」とはどういう意味か 阪口弘之
上方歌舞伎と江戸歌舞伎はどのような関係か 武藤純子
江戸時代の出版統制の実態はどうであったか 山本秀樹
〈◎時代横断テーマ〉古典文学における「個」をどう捉えるか 西田耕三
〈◎時代横断テーマ〉古典文学において「悪」はどう形象されているか 横山泰子
〈◎時代横断テーマ〉幕末漢詩における政治性とは何か 合山林太郎

執筆者一覧
プロフィール

松田 浩(まつだ・ひろし)
修士(文学-慶應義塾大学)。フェリス女学院大学文学部教授。専攻は日本古代文学(上代文学)。
共著に『法制と社会の古代史』(慶應義塾大学出版会、2015年)、論文に「歌の書かれた木簡と「万葉集」の書記」(『アナホリッシュ國文學』響文社、2012年12月)、「県守の虬退治と「妖気」と―『日本書紀』仁徳紀・聖帝伝承の叙述方法と「無為」」(『日本神話をひらく』フェリス女学院大学、2013年3月)、「漢字で書かれた歌集―「人麻呂歌集」の書記と「訓み」と」(『古代文学』古代文学会、2013年3月)などがある。

上原作和(うえはら・さくかず)
博士(文学-名古屋大学)。桃源文庫日本学研究所教授・法人理事。専攻は平安時代物語文学、文献史学、日本琴學史。
主著に『光源氏物語傳來史』(武蔵野書院、2011年)、共編著に『人物で読む源氏物語』全20巻(勉誠出版、2005~2006年)、『日本琴學史』(勉誠出版、2016年)などがある。

佐谷眞木人(さや・まきと)
博士(文学-慶應義塾大学)。恵泉女学園大学人文学部教授。専攻は古典芸能、軍記物語、民俗学。
主著に『平家物語から浄瑠璃へ―敦盛説話の変容』(慶應義塾大学出版会、2002年)、『日清戦争―「国民」の誕生』(講談社現代新書、2009年)、『民俗学・台湾・国際連盟 柳田國男と新渡戸稲造』(講談社選書メチエ、2015年)などがある。

佐伯孝弘(さえき・たかひろ)
博士(文学-東京大学)。清泉女子大学学長・文学部教授。専攻は日本近世(江戸時代)文学。
主著に『江島其磧と気質物』(若草書房、2004年)、共編著に『八文字屋本全集』全23巻(汲古書院、1992~2000年)、『浮世草子研究資料叢書』全7巻(クレス出版、2008年)、『浮世草子大事典』(笠間書院、2017年)などがある。

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