ニホンガノショザイ

日本画の所在

東アジアの視点から
北澤憲昭・古田亮 編
ISBN 978-4-585-27055-3 Cコード 3071
刊行年月 2020年4月 判型・製本 A5判・上製 320 頁
キーワード 美術,文化史,アジア

定価:7,150円
(本体 6,500円) ポイント:195pt

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書籍の詳細

西洋との邂逅により近代絵画としての「日本画」が誕生して100余年。
近年のグローバリゼーションの展開、東アジアをめぐる情勢の変化は、「日本画」を現代へと続く未解決問題(プロブレマティク)として浮かび上がらせることとなった。
「日本画」はどこから来たのだろうか。今、どこを生きているだろうか。そして、これからどこへ行くのだろうか…。
〈歴史〉〈領域〉〈表現)という3つの視点から、東アジアという場における「日本画」の形成・展開の諸相を歴史的・文化的に把捉し、「日本画」の概念を未来へとひらく画期的成果。

 

 

目次
口 絵

緒 言 古田亮
序 論 東アジアのなかの日本画、日本画のなかの東アジア 北澤憲昭

Ⅰ 「歴史」
 近代の日本画 その展開と諸様式 古田亮
 『NIHONGA』とは何か?―作品制作と展示の具体的観点から チェルシー・フォックスウェル
 いま「日本画」のソフトは何か 佐藤道信
 「〝描く〟絵画から〝塗る〟絵画へ」再考 塩谷純
 特 論  東アジア絵画への眼差し―近代「日本画」成立以前 板倉聖哲

Ⅱ 「領域」
 「日本画」の主題と表現―アジアとの関係の中で 天野一夫
 東アジアの近現代絵画―各国の現場レポートから 荒井経
 東京藝術大学日本画の一九八〇年代をめぐって―教員、カリキュラム、入試の変遷から       齋藤典彦
 東北画は可能か? Is Tohoku painting possible ? 三瀬夏之介
 特別寄稿 中国における「岩彩絵画」の現状 胡明哲

Ⅲ 「表現」
 現代「日本画」と東アジア―東洋絵画へのまなざし 野地耕一郎
 日本画考―創作と教育の現場から 間島秀徳
 特別寄稿 絵は、線であり、残骸であり、ゆるぎない。 岡村桂三郎
 特別寄稿 「日本画」ではなく「日本の絵画」の特質を考える 峯村敏明

 シンポジウム記録
   集中討議「日本画の行方」概要 加藤弘子


あとがき 北澤憲昭
執筆者一覧
プロフィール

北澤憲昭(きたざわ・のりあき)
1951年生まれ。女子美術大学名誉教授。表象文化論学会会員。専門は美術批評、美術史。
著書に『「日本画」の転位』(ブリュッケ、2003年)、『定本 眼の神殿―「美術」受容史ノート』(ブリュッケ、2010年)、『〈列島〉の絵画―「日本画」のレイト・スタイル』(ブリュッケ、2015年)などがある。

古田亮(ふるた・りょう)
1964年生まれ。東京藝術大学大学美術館准教授。専門は日本近代美術史。
著書に『視覚と心象の日本美術史』(ミネルヴァ書房、2014年)、『特講 漱石の美術世界』(岩波書店、2014年)、『日本画とは何だったのか 近代日本画史論』(KADOKAWA、2018年)などがある。

書評・関連書等

★紹介★
「美術の窓」(2020年6月号)にて紹介されました。
「週刊読書人」(2020年7月10日発行号)に書評が掲載されました。
 →評者:秋丸知貴(上智大学グリーフケア研究所特別研究員・美学美術史)

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