ホウゲンチリガクノシカイ

方言地理学の視界

小林隆・大西拓一郎・篠崎晃一 編
ISBN 978-4-585-38003-0 Cコード 3081
刊行年月 2023年5月 判型・製本 A5判・上製 408 頁
キーワード 民俗学,国語学,日本語,言語

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
ことばの地域差や地理的変異は、なぜ、どのように成立するのか。

ある方言を他の方言から独立した絶対的な存在であるとみなす方言学に対し、方言はあくまでも連続的な様相を示す相対的な存在であると考える、「方言地理学」。
故・佐藤亮一氏が開拓・提案した方言地理学の理論から、資料の生かし方、記述方言学との融合、文化・社会と方言との関係までを、隣接する民俗学や地理学などにも資する最新の成果を結集し体系的に紹介。
次世代へとつづく方言地理学の視界を照らし、ひとつの道しるべとなる一冊

方言学の根幹を問い直す「方言地理学」の挑戦!

 

 

目次
まえがき

第Ⅰ部 方言地理学の理論
第1章:共通語化と方言地理学 小林隆・熊谷康雄
第2章:方言安定期と方言地理学 大西拓一郎
第3章:分布類型、形成類型と地理方言学 安部清哉

第Ⅱ部 方言地理学の資料
第4章:『日本言語地図』と方言地理学 岸江信介・峪口有香子
第5章:『方言文法全国地図』と方言地理学 日高水穂
第6章:『日本方言大辞典』と方言地理学 作田将三郎
第Ⅲ部 記述方言学と方言地理学
第7章:形態論と方言地理学―首都圏における対格の変異を例として― 小西いずみ
第8章:テンス・アスペクトと方言地理学 津田智史
第9章:可能・自発と方言地理学 竹田晃子
第10章:モダリティと方言地理学―ゴト類の用法の多様性と山口東部方言の禁止の「コト」 舩木礼子
第11章:敬語の言語地理学―日本語敬語形成論の構築にむけて― 中井精一

第Ⅳ部 文化・社会と方言地理学
第12章:民俗語彙と方言地理学―〈井戸〉を表す語彙 新井小枝子
第13章:口承文芸と方言地理学―あやしことばの地域差 椎名渉子
第14章:キリシタン文化と方言地理学 小川俊輔
第15章:言葉遊びと方言地理学―岐阜県・愛知県のチーム分けジャンケンの掛け声を例に 山田敏弘
第16章:あいさつと方言地理学―他家訪問場面の新旧調査の比較を通して 中西太郎
第17章:交通と方言地理学 都染直也

第Ⅴ部 方言地理学の新分野
第18章:オノマトペと方言地理学 川﨑めぐみ
第19章:感動詞と方言地理学―品物を手渡す場面における感動詞の地理的分布 田附敏尚
第20章:言語行動の地域差‐山形県東田川郡三川町の事例 篠崎晃一
第21章:コンピュータと方言地理学 鑓水兼貴

佐藤亮一氏の時代と学問 沢木幹栄
佐藤亮一氏略歴
佐藤亮一氏主要著作一覧
執筆者一覧
プロフィール

小林隆(こばやし・たかし)
東北大学名誉教授。専門は方言学・日本語史。
著書に佐藤亮一・小林隆・大西拓一郎編『方言地理学の課題』(明治書院、2002年)、『方言学的日本語史の方法』(ひつじ書房、2004 年)、『語用論的方言学の方法』(ひつじ書房、2023 年)などがある。

大西拓一郎(おおにし・たくいちろう)
国立国語研究所教授。専門は言語地理学・方言学。
著書に『現代方言の世界』(朝倉書店、2008 年)、『ことばの地理学―方言はなぜそこにあるのか』(大修館書店、2016年)などがある。

篠崎晃一(しのざき・こういち)
東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。
著書に『出身地(イナカ)がわかる方言』(共著、幻冬舎、2011 年)、『東京のきつねが大阪でたぬきにばける―誤解されやすい方言小辞典』(三省堂、2017年)、『それいけ!方言探偵団』(平凡社、2021年)などがある。

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