源氏物語の様々な場面を、現在最多の四百画面にわたり描いている画帖。淡墨主体の白描で、画面の上下に金泥の霞を刷く。土佐派の図様を踏襲するが、狩野派の瀟洒も併せており、絵師は未詳。江戸中期の作品とされる。
絵の説明文にあたる詞書は持たないが、各場面の内容を記した短冊が貼付されている。それによる場面内容は細かく、物語中の一瞬までをも指示している。
最大の特徴は、描かれた場面数が他を圧倒していることで、他の源氏物語絵巻や画帖には見られない希有な場面を多く含んでいる。
「源氏物語場面集」ともいい得る大作。
※日経新聞文化面(平成17年6月10日付)に大きく紹介されました。
※日本古書通信八月号(第913号)に、『石山寺四百画面 源氏物語画帖』が紹介されました。
※国文学 解釈と鑑賞893号(至文堂)、新刊紹介に、『石山寺四百画面 源氏物語画帖』が紹介されました(日向一雅明治大学教授評)。