清盛は悪人か?
平安時代末期、保元・平治の乱を経て、貴族政治の世界から武家政治の世界へと移行した。それはつまり「武者の世」の出現であった。
その時代を見事に生き抜き、天下を掌握した清盛。
彼は貨幣経済や海外貿易に力を注ぎ、神仏に対しても深い信仰心を抱いていた。
天下人でありながら人々へのやさしいまなざし。物静かな性質。
常に大所高所から社会を、人間を凝視し続けていた。
本書では清盛を軸として、政治、商業、合戦、伝説、平家一族、貴族と天皇家など、
あらゆる角度から考察し、『平家物語』では見えてこない新しい清盛像を発見する。