タイママンダラトチュウジョウヒメ

当麻曼荼羅と中将姫

日沖敦子 著
ISBN 978-4-585-27009-6 Cコード 3070
刊行年月 2012年2月 判型・製本 A5判・上製 488 頁
キーワード 美術,民俗学,仏教,説話,近世

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細
受難と救済の物語に民衆は何を求めたのか

当麻曼荼羅と中将姫に関する説話・物語・寺社縁起などの文芸の享受の様相を、文化史的な観点から解き明かす。
フィールドワークを通して得た情報を手掛かりに、説話/絵画史料から民衆の信仰のかたちを探る試み。
ボストン美術館蔵『中将姫』など未公開の海外所蔵資料及び新出史料をカラー頁で紹介。

 

 

目次
(論考篇)
序章  中将姫説話と民衆の信仰のかたち

第一部 中将姫説話と物語絵
第一章 浄土憧憬 ―檀王法林寺蔵「中将姫臨終感得来迎図」をめぐって―
第二章 当麻曼荼羅と中将姫説話 ―物語絵の享受―
第三章 在米の奈良絵本・絵巻 ―お伽草子『中将姫』について―
第四章 中将姫説話の展開 ―当麻寺中之坊蔵「中将姫絵伝」を端緒として―

第二部 当麻曼荼羅の制作と説話・縁起の生成
第五章 当麻曼荼羅と比丘尼 ―『月庵酔醒記』所収説話を端緒として―
第六章 禅林寺所蔵「当麻曼荼羅」由来譚とその周辺 ―『月庵酔醒記』所収説話における「肥後」の地をめぐって―
第七章 当麻曼荼羅の修復と制作 ―『新著聞集』に見る曼荼羅説話の展開―
第八章 曼荼羅の由来と縁起 ―愛知県江南市日輪山曼陀羅寺の事例を通して―

第三部 僧と民衆 ―民衆の信仰のかたち―
第九章 髪繍当麻曼荼羅と空念 ―近世前期の一僧侶の活動とその意義―
第十章 髪繍に込めた祈り ―漂泊僧空念の歩み―
第十一章 光世と彫刻当麻曼荼羅 ―近世前期における当麻曼荼羅享受の一形態―

(資料篇)  
(翻刻)檀王法林寺蔵『当麻踟供養図記』
(翻刻)ボストン美術館蔵『中将姫』
プロフィール

日沖敦子(ひおき・あつこ)
1978年、愛知県名古屋市生まれ。2006年3月、名古屋市立大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(人間文化)。現在、名古屋市立大学大学院人間文化研究科研究員、金城学院大学等非常勤講師。専門は、室町・近世前期文芸。
著書・論文に、『毛髪で縫った曼荼羅―漂泊僧 空念の物語』(新典社、2010年)、「王朝憧憬-『鉢かづき』、他をめぐって」(徳田和夫編『お伽草子百花繚乱』笠間書院、2008年)、「『総持寺縁起絵巻』の制作とその背景」(『古代中世文学論考 第19集』新典社、2007年)などがある。

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