白居易研究年報12
ハクキョイケンキュウネンポウ ダイジュウニゴウ

白居易研究年報 第12号

特集「新楽府―諷諭の精神」
白居易研究会 編
ISBN 978-4-585-07090-0 Cコード 3800
刊行年月 2012年2月 判型・製本 A5判・並製 292 頁
キーワード 漢文,比較文学,古典,中国,中古

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
白居易の重んじた詩のあり方―「諷諭」の精神を探る

下々の民の心情を詩歌によって天子の耳に入れ、またこれを後世につたえること―
白居易は、『詩経』の伝統に基づいたこの文学のあり方「諷諭」を重んじ、自らの詩集の冒頭に位置づけた。その「諷諭詩」の代表作が「新楽府」である。
本特集では、唐代の詩壇において爆発的な流行を遂げ、日本でも平安朝初期の白詩伝来以来、源氏物語、菅原道真の詩や古今集序など、様々な影響を与えてきた「新楽府」の受容の諸相を多角的に論じ、詩人の精神が如何に海を越え、時代を越え、受け継がれてきたかを明らかにする。


「新楽府(シンガフ)」とは・・・
もともとは朝廷の音楽の役所の意で、そこで演奏される歌詞そのものを
指すようになったと言われる。
白居易は友人たちと楽府の内容の刷新を図ったが、それを作品とした
ものが「新楽府」である。

「諷諭(フウユ)」とは・・・
遠回しに諭すという意で、政治批判的な意味を内容に込めるというところに
特徴がある。
「諷諭詩」の代表作が「新楽府」である。

 

 

目次
特集にあたって 新間一美
白居易の諷諭詩と菅原道真―新楽府「牡丹芳」詩・「白牡丹」詩の受容を中心に― 新間一美
白居易「新楽府」と『源氏物語』―女性の生き方を象る詩篇を中心に― 西野入篤男
『河海抄』所引の「新楽府」と『源氏物語』 金木利憲
台北故宮博物院蔵『新楽府慶安三年刊本』について―紹介と書き入れ翻刻― 岡部明日香
実相院密乗建長四年筆「文集巻第三 新楽府」(書影四枚) 陳チュウ
【特集―長恨歌(承前)】金沢文庫本「長恨歌」訓読文 袴田光康
白居易一族婚姻考 文艶蓉原著/原田愛訳注
伝世過程における白氏六帖の部立て増修―『藝文類聚』『初学記』による山部門目の増修を中心として― 大渕貴之
【書評】丸山茂『唐代の文化と詩人の心―白樂天を中心に―』(二〇一〇年、汲古書院) 澤崎久和
【研究ノート】『白居易資料新編』の編纂にあたって 陳才智原著/甲斐雄一訳注
日本における白居易の研究―二○○九年― 下定雅弘

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