カートは空です。
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『落日』は、女手一つで二人の息子を育て上げた寡婦の物語。晩年、自分は厄介者ではないかと思うようになった彼女は……。伝統的な道徳観や倫理意識が希薄になっている現代を背景に、肉親どうしの打算と愛憎と相克を、突き放した冷酷な筆致で客観的に描く。ほかに、二世代の典型的な中国知識人の生涯を描く『父のなかの祖父』などを収録。
方方(ファンファン/Fang Fang)1955年、南京生まれ。文革後、武漢大学に入学し、在学中から創作活動を開始。卒業後はテレビドラマの脚本執筆の仕事に従事した。80年代半ばから、地方都市・武漢を舞台に、名もなく貧しい下層民の生活を描いた一連の作品を発表。「新写実小説」の代表的な書き手として、高い評価を得ている。現在は、湖北省作家協会主席。