チュウセイオウジョウデンノケイセイトホウネンジョウドキョウダン

中世往生伝の形成と法然浄土教団

谷山俊英 著
ISBN 978-4-585-21008-5 Cコード 3014
刊行年月 2012年6月 判型・製本 A5判・上製 296 頁
キーワード 仏教,日本史,中世

定価:9,900円
(本体 9,000円) ポイント:270pt

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書籍の詳細
「中世往生伝」の存在意義を探る

長きにわたってその存在を無視されてきた「中世往生伝」。
しかし、法然浄土門徒が創出し編纂した往生伝は、間違いなく存在していた。
宗教思想の一大変転期であった中世に成立した「中世往生伝」の存在意義を思想史上に明確に位置づけ、浄土往生思想を中軸に据えて著された中世の諸作品を「中世往生伝類」という幅広いとらえ方をすることで、中世の人々が認識していた往生伝の実像に迫る。

 

 

目次
序論―本書の内容と構成について―

第一章 中世往生伝研究の沿革とその問題点
 第一節 中世往生伝研究の沿革とその問題点
 第二節 埋もれた如意宝珠―中世往生伝の非有説をめぐって―

第二章 中世往生伝の形成と法然浄土教団
 第一節 迦才『浄土論』と中世往生伝類―本朝における往生伝の作品認識をめぐって― 第二節 往生伝の系譜と無観称名義―中世往生伝と『明義進行集』―
 第三節 賀古の教信話考―『明義進行集』の教信話をめぐって―
 第四節 往生伝の中世的変容―法然門における往生伝の形成をめぐって―
 第五節 中世における法然門の宣教活動と往生伝の形成―中世往生伝の編纂時期をめぐって―       
 第六節 『一言芳談』の基礎的研究―主に神明霊験譚と編纂意識との関連をめぐって―【補論】

第三章 往生譚と絵解き―念仏山教信寺蔵「開山上人一生絵」をめぐって―
 第一節 念仏山教信寺蔵「開山上人一生絵」をめぐって―土佐光信作画説への一、二の疑問―
 第二節 念仏山教信寺蔵「開山上人一生絵」の絵解きについて―「播州念仏山教信寺縁起」と絵解き教信上人伝―付・教信話の中世的展開
 第三節 「播州加古郡念佛山教信寺畧縁起」―翻刻と研究―

第四章 中世往生伝の周縁―日蓮・西行―
 第一節 鎌倉新仏教開祖の女性観―絶対平等の思想と女人救済―
 第二節 西行と文覚―歌僧頓阿の眼に映った両者の邂逅―

おわりに

あとがき

初出一覧

索 引(書名等・人名・研究者名)
プロフィール

谷山俊英(たにやま・としひで)
立正大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程研究指導修了退学。現在、都立武蔵高等学校主任教諭・立正大学文学部非常勤講師(兼職)。
主な編著書・論文に、「日蓮の生涯―「旃陀羅」から「上行菩薩」へ―」(特集「仏教・知と言葉と」『国文学』第41巻8号、学燈社)、「中世における浄土宗の宣教活動と僧伝(往生伝)の形成―法然門における往生伝形成の一側面―」(論文・シンポジウム、『佛教文学』第25号)、『日本古典文学研究史大事典』(分担執筆、勉誠社)、『古典文学鑑賞辞典』(分担執筆、東京堂出版)、『日本説話伝説大事典』(分担執筆、勉誠出版)、『日本の名著 3分間読書100』(分担執筆、海竜社)、『天皇皇族歴史伝説大事典』(分担執筆、勉誠出版)、『社寺縁起伝説辞典』(分担執筆、戎光祥出版)などがある。

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