チュウセイガクソウトシントウ

中世学僧と神道

了誉聖冏の学問と思想
鈴木英之 著
ISBN 978-4-585-21009-2 Cコード 3014
刊行年月 2012年8月 判型・製本 A5判・上製 384 頁
キーワード 宗教,中世

定価:10,780円
(本体 9,800円) ポイント:294pt

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書籍の詳細
中世日本の「知」の沃野を探る

諸宗派の仏教教理のみならず、神祇信仰や聖徳太子信仰、和歌や儒教など、中世の主要な思想・信仰・文学を包括的に修め、浄土宗義・地位の確立に生涯を捧げた了誉聖冏(りょうよしょうげい)。
のちに浄土宗第七祖として尊崇された高僧による「兼学」の様相をその神道関係著作に探り、中世日本の学問のかたちを明らかにする。

 

 

目次
序 章
 はじめに
 一 聖冏の評価と本書のねらい
 二 聖冏の生涯
 三 研究史
 四 本書の構成

第Ⅰ部 初期の著作にみる学問と思想
第一章 聖冏の神道論概観
 はじめに
 一 神道関係著作における神道論の特色
 二 神道関係著作の概要
 三 研究の利点と意義
第二章 『鹿島問答』における本地垂迹説
 はじめに
 一 『鹿島問答』の本地垂迹説
 二 法然浄土教学にもとづく神明の位置づけ
 おわりに
第三章 『鹿島問答』における聖徳太子―本尊にまつわる問答から―
 はじめに
 一 太子は本朝仏法流布の祖か―南岳慧思後身説よりの批判―
 二 聖徳太子は浄土真宗の祖か―片岡山飢人説よりの批判―
 三 聖徳太子の礼拝方法
 おわりに
第四章 伝聖徳太子述作『説法明眼論』の性格と流布―中世太子信仰の一齣―
 はじめに
 一 太子著作としての『説法明眼論』
 二 『説法明眼論』の概要
 三 『説法明眼論』の構成
 四 規範としての『説法明眼論』
 五 太子未来記としての『説法明眼論』
 六 『説法明眼論』の流布
 七 教養としての『説法明眼論』
 おわりに
第五章 聖冏教学における聖徳太子―『説法明眼論』の受容をめぐって―
 はじめに
 一 浄土宗における聖徳太子
 二 学者としての聖徳太子
 三 聖徳太子と教相判釈説
 四 三国伝来の浄土教
 おわりに
第六章 聖冏の漢籍受容―中世浄土宗における孝道の位置づけ―
 はじめに
 一 聖冏著作における漢籍引用
 二 儒教の位置づけ
 三 世善と世福
 四 善導・良忠の孝道の位置づけ
 五 聖冏の孝道の位置づけ―自然行孝―
 おわりに

第Ⅱ部 晩年の著作にみる学問と思想
第一章 晩年の神道関係著作について
 はじめに
 一 晩年の神道関係著作と神道灌頂
 二 宥尊について
 三 聖冏著作と願行流
 四 春瑜書写『日本紀私見聞』と願行流
 おわりに
第二章 『麗気記』所収「神体図」の受容と展開―聖冏・良遍著作の検討から―
 はじめに
 一 神体図の構成と特色
 二 口伝される図像
 三 聖冏の神体図解釈
 四 良遍の神体図解釈
 おわりに
第三章 『麗気記私鈔』『麗気記神図画私鈔』の考察―聖冏の神道図像学―
 はじめに
 一 神体図解釈の諸相
 二 重如月殿―『麗気記』のコスモロジー―
 三 日本紀本尊と重如月殿―変容する三種神宝―
 おわりに
第四章 『麗気記拾遺鈔』における神体―教相判釈される神々―
 はじめに
 一 『麗気記拾遺鈔』の位置づけ
 二 諸宗派における神体
 三 教相判釈される神々
 四 浄土宗の神の優位性
 五 大元宗祖神
 おわりに

結 語
 一 本書のまとめ
 二 中世における聖冏の位置づけ

資料篇
 筑波大学蔵『麗気記私鈔』『麗気記神図画私鈔』解題・翻刻
 称名寺蔵・金沢文庫保管『説法明眼論』解題・翻刻
 真誉相関撰『了誉上人伝』解題・翻刻

あとがき

索 引
プロフィール

鈴木英之(すずき・ひでゆき)
1974年東京都生まれ。2007年早稲田大学大学院文学研究科・博士後期課程東洋哲学専攻、単位取得退学。博士(文学)。
現在、早稲田大学非常勤講師、早稲田大学日本宗教文化研究所招聘研究員。専門は日本思想史。
主な論文に「了誉聖冏『麗気記拾遺鈔』における神体―教相判釈される神々―」(『宗教研究』358、2008年)、「了誉聖冏の神道図像学―『麗気記拾遺鈔』『麗気記神図画私鈔』の考察から―」(『日本思想史学』41、2009年)、「中世学僧と古今註―了誉聖冏『古今序註』について―」(伊藤聡編『中世神話と神祇・神道世界』中世文学と隣接諸学3、竹林舎、2011年)などがある。

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