ホッケジアミダジョウドイントビョウドウインホウオウドウ

法華寺阿弥陀浄土院と平等院鳳凰堂

三宮千佳 著
ISBN 978-4-585-21019-1 Cコード 3015
刊行年月 2014年3月 判型・製本 A5判・上製 272 頁
キーワード 仏教,古代

定価:9,350円
(本体 8,500円) ポイント:255pt

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書籍の詳細
光明皇后の阿弥陀信仰と法華寺阿弥陀浄土院の思想的背景を探る

光明皇后が生涯最後に造営した法華寺。
藤原不比等の邸宅跡地に建てられたその寺地の西南隅に、阿弥陀浄土院と呼ばれる施設が存在した。
この阿弥陀浄土院は、不比等の庭園施設を利用し、巨大な池の中に建てられていたことが判明しているが、これは極めて特殊な例である。
なぜ庭園施設を利用したのか、なぜ池の中に阿弥陀堂を建立したのか。
光明皇后の発願意図とはどのようなものだったのか。
中国の皇帝専用の庭園施設である「苑」の景観との関係、同じく池の中島に建てられた平等院鳳凰堂への影響にも言及し、天平時代の代表的な阿弥陀堂である法華寺阿弥陀浄土院の特質を解明する。

 

 

目次
序 言 大橋一章

緒 言

第一章 法華寺阿弥陀浄土院の造営開始時期
 はじめに
 第一節 法華寺阿弥陀浄土院に関する先行研究
 第二節 『正倉院文書』の「西花苑」の解釈
 第三節 「西院」と阿弥陀浄土院
 第四節 『続日本紀』天平宝字五年六月七日条の解釈
 おわりに

第二章 法華寺阿弥陀浄土院の発願意図 
 はじめに
 第一節 奈良時代の阿弥陀信仰に関する先行研究
 第二節 世親の『浄土論』
 第三節 光明皇后の利他行と法華寺阿弥陀浄土院の発願
 第四節 奈良時代女性貴族の阿弥陀信仰
 おわりに

第三章 中国南朝の浄土図の景観と皇帝の苑 
 はじめに
 第一節 浄土図の景観に関する先行研究
 第二節 東晋・支遁の「阿弥陀佛像讃」
 第三節 成都万仏寺址出土浄土図の景観
 第四節 成都万仏寺址出土浄土図の作図法
 第五節 経典中の「苑」または「園苑」の使用例
 おわりに

第四章 唐代浄土院と法華寺阿弥陀浄土院 
 はじめに
 第一節 法華寺阿弥陀浄土院の池と建物について
 第二節 聖武天皇宸翰『雑集』所収「法花寺浄土院文」
 第三節 阿弥陀浄土図と皇帝の苑の「池」「樹木」「建物」
 第四節 法華寺阿弥陀浄土院造営の構想
 おわりに

第五章 平安時代の浄土思想と大乗菩薩道 
 はじめに
 第一節 比叡山の常行三昧
 第二節 空也の浄土思想
 第三節 源信の浄土思想
 第四節 慶滋保胤と『日本往生極楽記』
 第五節 藤原道長の浄土思想
 おわりに

第六章 平安時代の阿弥陀堂と寝殿造
 はじめに
 第一節 比叡山の常行堂
 第二節 平安時代中期の阿弥陀堂―法成寺阿弥陀堂
 第三節 平安京の寝殿造
 おわりに

第七章 平安時代の法華寺と藤原道長
 はじめに
 第一節 光明皇后薨去後の法華寺と藤原氏
 第二節 興福寺僧林懐の法華寺別当就任と藤原道長
 第三節 光明皇后、藤原道長の「滅罪」と大乗菩薩道
 おわりに

第八章 平等院鳳凰堂の発願と法華寺阿弥陀浄土院 
 はじめに
 第一節 平等院鳳凰堂に関する先行研究
 第二節 藤原道長と法華寺との関係
 第三節 法華寺阿弥陀浄土院から平等院鳳凰堂へ
 第四節 末法思想と平等院発願の動機
 おわりに

結 語

あとがき
プロフィール

三宮千佳(さんのみや・ちか)
1978年高知県高知市生まれ。2001年早稲田大学第一文学部史学科美術史学専修卒業。2003年早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)専攻修士課程修了。2012年学位取得、博士(文学)。同年富山大学芸術文化学部講師。
主な論文に「法華寺の西花苑、西院について―阿弥陀浄土院の造営をめぐって―」(『美術史研究』第42冊、2004年12月)、「平等院鳳凰堂の発願と法華寺阿弥陀浄土院」(『南都佛教』第97号、2012年12月)などがある。

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