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不妊治療、高齢出産、新型出生前診断…。医療の近代化を経て、複雑な様相を示すようになってきた現代の出産。子どもを産み育てるという、人間が長らく続けてきた行為は、この先、どのような方向へと進んでいくのだろうか。フィールドワークの成果に基づき、私たちが変わらず続けてきたこと、新たに作り出してきたことを明らかにし、現代日本の出産を相対化する。
安井眞奈美(やすい・まなみ)天理大学文学部教授(歴史文化学科考古学・民俗学専攻)。専門は民俗学、文化人類学。日本とミクロネシアをフィールドに、出産環境の変容を明らかにする研究を進めてきた。また身体と怪異に関する研究にも着手している。主な著作として『産む・育てる・伝える―昔のお産・異文化のお産に学ぶ』(風響社、2009年)、『出産・育児の近代―「奈良県風俗誌」を読む』(法蔵館、2011年)、『出産環境の民俗学―〈第三次お産革命〉にむけて』(昭和堂、2013年)などがある。