カートは空です。
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人類が現在抱えている環境問題は、従来の政治や経済、科学など人間中心の視点からだけでは解決することが出来ない。環境と人間の関係を多角的にとらえるために、エコクリティシズムという新しい視点を導入し、人間と自然のこれまでの/これからのありかたを探る。作家の小説作品やインタビュー、国内外の研究状況をつたえる翻訳や論文、キーワード集など、多角的な構成によって文学・環境批評の可能性を伝えるガイドブック。
小谷一明(おだに・かずあき)新潟県立大学准教授。英語圏文学、日本語文学を扱いながら、アメリカ西部表象や植民地主義と環境マイノリティの関係についてエコクリティシズムの観点から研究を行っている。主な著書に、『越境するトポス―環境文学論序説』(共著、彩流社、2004年)、『変容するアメリカ研究のいま―文学・表象・文化をめぐって』(共著、ミネルヴァ書房、2007年)、『「場所」の詩学―環境文学とは何か』(共著、藤原書店、2008年)、『〈移動〉のアメリカ文化学—シリーズ・アメリカ文化を読む2』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)などがある。巴山岳人(はやま・がくと)和歌山大学ほか非常勤講師。専門は20世紀の英国モダニズム文学を中心とした英文学、エコクリティシズム。特に文学表象における生物学 や進化論との関係性に関心がある。主な著書に、『21世紀のD・H・ロレンス』(共著、国書刊行会、2015年刊行予定)、論文に、「科学と進化のイデオロギー―D・H・ロレンスとThe New Statesman」(『D・H・ロレンス研究』第18号、2008年)などがある。結城正美(ゆうき・まさみ)金沢大学教授。専門はエコクリティシズム、比較文学。主な著書に、『水の音の記憶―エコクリティシズムの試み』(水声社、2010年)、『他火のほうへ―食と文学のインターフェイス』(水声社、2012年)、『越境するトポス―環境文学論序説』(共編著、彩流社、2004年)、『「場所」の詩学―環境文学とは何か』(共編著、藤原書店、2008年)、Literature and Art after “Fukushima” (共編著、Eb-Verlag、2014年)などがある。豊里真弓(とよさと・まゆみ)札幌大学教授。専門はマイノリティ作家による小説を中心とした20世紀アメリカ文学、エコクリティシズム。主な論文に、「非近代への志向―梨木香歩『f植物園の巣穴』における身体性と異界」(『水声通信』33号、2010年)“Beyond the Satoyama Traditon: Unsettling Landscapes in the Writings of Morisaki Kazue and Nashiki Kaho”(POETICA No.80、2013年)などがある。喜納育江(きな・いくえ)琉球大学教授。専門はアメリカの女性文学、特にアメリカ先住民、チカーノ(ナ)を中心としたマイノリティの文学、ジェンダー研究、エコクリティシズム研究。主な著書に、『〈故郷〉のトポロジー』(水声社、2011年)、論文に、「進化するエコ/フェミニズムとクイアエコフェミニズムの可能性」(『水声通信』33号、2010年)などがある。また、『沖縄ジェンダー学・第1巻・「伝統」へのアプローチ』(編著、大月書店、2014年)、『沖縄・ハワイ、コンタクト・ゾーンとしての島嶼』(共編著、彩流社、2010年)など、沖縄研究に関する著書もある。
「図書新聞」(2015年4月11日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:中村邦生(大東文化大学))