平安京に鳴り響く管絃の世界
平安・鎌倉時代の宮中や天皇の周辺には、どのような音楽が流れていたのだろうか?
説話集や楽書に残る横笛のエピソードを通して、笛の知られざる機能、楽人の実態をさぐり、宮廷音楽史に迫る。
日本で最初の横笛譜を編纂した貞保親王。虚空に鳴り響く音楽とともに誕生した源博雅。音色で鬼を驚かせた「葉二(はふたつ)」。海神の怒りを静めた「水龍」。弁慶と横笛を手に戦った牛若丸。源平の戦いで命を落とした平敦盛の「青葉の笛」。
横笛の名人や名器などのエピソードを時系列に紹介。日本音楽史の副教材としても最適な一冊。