故宮という『フィルター』を通し、日本、台湾、中国が絡みあう東アジアの近現代史と国際政治を描く
なぜ習近平は「中華民族の偉大なる復興」を掲げるのか―。
中国と台湾に存在する二つの故宮は、日中戦争と国共内戦の産物であり、アジア近現代史の縮図である。戦後台湾の蒋介石にとっては「中国正統政権」の象徴とされ、今日も中台交流の最前線にある。中国では「中華」があらゆる場で強調され、政権交代を控えた台湾でも故宮の分院「南院」は「中華かアジアか」で揺れている。
アジア随一の美の殿堂・故宮を、歴史・政治・文化のあらゆる面から精緻に解読する一冊。