カンキョウジンブンガクイチ ブンカノナカノシゼン

環境人文学Ⅰ 文化のなかの自然

野田研一・山本洋平・森田系太郎 編著
ISBN 978-4-585-29128-2 Cコード 1090
刊行年月 2017年5月 判型・製本 A5判・並製 352 頁
キーワード 評論,環境,現代社会,文化史,民俗学,近現代

定価:3,300円
(本体 3,000円) ポイント:90pt

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書籍の詳細
人間は自然をどのように捉え、描いてきたか

既知から未知へ。
文学、哲学、音楽、社会学など、多分野の学問を横断し、これからの人文学が環境をどのように考えていくことができるのかを探る。石牟礼道子、伊藤比呂美、大城立裕、小池昌代、管啓次郎といった日本を代表するネイチャーライター(環境文学作家)のインタビュー、鼎談、講演録も所収。自然環境を、人間中心の理解ではなく、異なるパースペクティブとして捉えなおすために、環境人文学の可能性を提示する。
細野晴臣氏の鼎談も掲載!

 

 

目次
はじめに 山本洋平

Ⅰ 場所と記憶のあいだ
 【対談】この風景を感知する 小池昌代×中村邦生
 【インタビュー】ことばの力 石牟礼道子(聞き手:野田研一)
 「草の道」から「歴史の時間」へ―石牟礼道子の「亡所」探索 野田研一
 翻訳と石牟礼道子―日本に於ける環境文学研究の回想と展望 ブルース・アレン(翻訳:相原優子)
 【講演録】沖縄という場所から―私の文学 大城立裕
 林京子論―即物的に語り続けた理由 小谷一明

Ⅱ 文化と言葉のあいだ
 【鼎談】異文化の音、自然の音―音楽を〈異化〉する 細野晴臣×三上敏視×野田研一
 ポピュラー・カルチャーにみる自然―人間のつながりの表象の変遷 中村優子
 花札追憶―明治三五年帝国議会議事録を中心に 渡辺憲司
 〈私〉をつくる教室―自然・メディア・書くこと 北川扶生子
 繋ぐ―異文化、異言語、そして歴史 鳥飼玖美子

Ⅲ 自然と生きもののあいだ
 【鼎談】山川草木鳥獣虫魚党宣言!―動物のいのち/植物のいのち 伊藤比呂美×管啓次郎(聞き手:山本洋平)
 「超身体性」で読み解く伊藤比呂美の『河原荒草』―「二つの自然」を超えて 森田系太郎
 本草学の世界―〈環境文学〉への道程 小峯和明
 「俤」を「今」に「翻訳」するということ―国木田独歩の自然 佐藤有紀
 深き自然への祭典―日野啓三論 河野哲也
 言葉の〈かたち〉が語ること―梨木香歩の「反復」を読む 山田悠介

おわりに 野田研一
プロフィール

野田研一(のだ・けんいち)
立教大学名誉教授。主な著書に『交感と表象―ネイチャーライティングとは何か』(松柏社、2003年)、『自然を感じるこころ―ネイチャーライティング入門』(筑摩書房、2007年)、『〈風景〉のアメリカ文化学[シリーズ・アメリカ文化を読む 2]』(編著、ミネルヴァ書房、2011年)、『異文化コミュニケーション学への招待』(共編・鳥飼玖美子他、みすず書房、2011年)、『失われるのは、ぼくらのほうだ―自然・沈黙・他者』(水声社、2016年)などがある。

山本洋平(やまもと・ようへい)
明治大学理工学部専任講師。立教大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。主な論文に、「剥製の欲望から諸自己の詩学へ―19世紀アメリカ文学における鳥の表象」(野田研一・奥野克巳[編著]『鳥と人間をめぐる思考―環境文学と人類学の対話』勉誠出版、2016年)、「明白ならざる運命―『ウォールデン』における動物表象」(日本ソロー学会編『ソローとアメリカ精神―米文学の源流を求めて』金星堂、2012年)などがある。

森田系太郎(もりた・けいたろう)
在野研究者。会議通訳者。修士(立教大学[異文化コミュニケーション学])、修士(モントレー国際大学院[翻訳・通訳])、博士(立教大学[社会デザイン学])。主な著書に、East Asian Ecocriticisms: A Critical Reader(共著、Palgrave Macmillan、2013年)、論文に、“Ecological Reflection Begets Ecological Identity Begets Ecological Reflexivity”(立教大学博士論文、2010年)、“Nature Writing Cultivates Ecological Identity: A Case Study of an Environmental NGO in Japan”(『文学と環境』第15号、2012年)などがある。

書評・関連書等

・「朝日新聞」(2017年5月28日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「週刊読書人」(2017年6月16日)にて、本書の編者(野田研一・奥野克巳)による対談が大きく掲載されました。

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