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アジアの戦争と記憶

二〇世紀の歴史と文学
岩崎稔・成田龍一・島村輝 編
ISBN 978-4-585-22211-8 Cコード 1020
刊行年月 2018年6月 判型・製本 A5判・上製 320 頁
キーワード 戦争,現代社会,社会学,思想,アジア,世界史,日本史,近現代

定価:5,060円
(本体 4,600円) ポイント:138pt

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書籍の詳細
東アジアの新たなるコモンとは何か―

二つの世界大戦から、インド独立運動、朝鮮戦争、ベトナム戦争、沖縄返還など、アジア激動の20世紀を捉え直す。
作家や知識人が残した言葉から、友好と対立が入り乱れる戦後の日中韓関係史を整理、戦後に忘却された東アジアの歴史を浮かびあがらせる。
ナショナリズムとグローバリズムという二つの普遍主義を問い直し、政治的対立を超えた、これからの連帯の可能性を探る。

 

 

目次
序言 東アジアのコモンとは何か 岩崎稔

Ⅰ 戦争からコモンを考える
1.東アジアにおける「コモン」(共同性)とは、なにか?―現代日本の「民主」と「主権」 小森陽一
2.二十世紀中国史という視野における朝鮮戦争 汪暉(翻訳:倉重拓)
3.グローバリズムと漢字文化圏をめぐる文化政治―「ベトナム戦争」×「日韓国交正常化」という記憶装置から 高榮蘭
4.沖縄から開くアジア像―崎山多美の文学から 渡邊英理

Ⅱ アジアを渡る
5.章炳麟の「自主」に基づくアジア連帯の思想―日本の初期社会主義運動、日英同盟、印度独立運動との関連 林少陽
6.戦前・戦中の日本の「中国」および「東洋」に関する知識生産―橘樸を中心に 趙京華(翻訳:松原理佳)
7.日本の新感覚派文学の植民地都市での転向―横光利一の『上海』をめぐって 王中忱(翻訳:包宝海)
8.経験と希望―作家・林京子の半生を通して見た核とアジア 島村輝

Ⅲ 日中の想像力(イマジネーション)
9.根拠地哲学と歴史構造意識―竹内好の毛沢東論 孫歌(翻訳:李仁正、島村輝)
10.東アジアの終わらない戦争―堀田善衞の中国観 竹内栄美子
11.友好の井戸を掘る―辻井喬のしごと 成田龍一

あとがき 林少陽
プロフィール

岩崎稔(いわさき・みのる)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専門は哲学/政治思想。
主な論文に、「「慰安婦」問題が照らす日本の戦後」(『記憶と認識の中のアジア・太平洋戦争』長志珠絵との共著、岩波書店、2015年)、編著に『東アジアの記憶の場』(板垣竜太、鄭智泳との共編、河出書房新社、2011年)、監訳書に『メタヒストリー』(ヘイドン・ホワイト著、作品社、2017年)などがある。

成田龍一(なりた・りゅういち)
日本女子大学人間社会学部教授。専門は歴史学、近現代日本史。
主な著書に、『「戦争経験」の戦後史―語られた体験/証言/記憶』(岩波書店、2010年)、『近現代日本史と歴史学―書き替えられてきた過去』(中央公論新社、2012年)、『「戦後」はいかに語られるか』(河出書房新社、2016年)などがある。

島村輝(しまむら・てる)
フェリス女学院大学文学部教授。専門は日本近現代文学・藝術表象論。
主な著書に、『臨界の近代日本文学』(世織書房、1999年)、『被爆を生きて―作品と生涯を語る』(林京子との共著(インタビュー聞き手)岩波ブックレット、2011年)、『少しだけ「政治」を考えよう! 若者が変える社会』(共編著、松柏社、2018年)などがある。

書評・関連書等

「週刊金曜日」(2018年7月27日)にて書評が掲載されました。(評者:本橋哲也(教職員))

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