テッサイノヨウメイガク

鉄斎の陽明学

わしの画を見るなら、まず賛をよんでくれ
戦暁梅 著
ISBN 978-4-585-10094-2 Cコード
刊行年月 2004年2月 判型・製本 A5判・上製 286 頁
キーワード 伝記,美術,思想

定価:11,000円
(本体 10,000円) ポイント:300pt

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書籍の詳細

「最後の文人画家」と呼ばれる富岡鉄斎(1837-1924)。彼の奔放な画風と、それを支える要因である陽明学の諸要素との、思想面での深い繋がりを明らかにした上で美術史及び文化史における鉄斎の再評価を試み、日本ないしは東アジア近代美術の内発的発展の徴証を見出す。

 

 

目次
カラー口絵

はじめに

序 章                          
 一.時を得ない近代の文人画
 二.鉄斎の画風、二つの「外部」の視線
 三.なぜ陽明学、なぜ賛文なのか

第一章 陽明学と鉄斎の関わり             
第一節 陽明学と鐵斎の学問
 一.陽明学の文藝への影響
 二.鉄斎の学問
第二節 鉄斎の陽明学                 
 一.「我」の究極を目指して―奇人・変人を好む鉄斎
 二.知行合一の実践―「日本絵図」、「富士山図」その他

第二章 鐵斎「三教合一」の行方                
第一節 画題と賛文から:「三教」の絡み合い    
 一.儒学と国学の画題に共通する「忠義」
 二.仏教と儒学の画題に共通する「掃塵」
 三.孫思障・ノ求めるもの―三つの孫思障・怩骭覆犬銅BR>第二節 三教合一観の変遷―「三老吸酢図」の再解釈― 
 一.忠実な再現―四十歳代の『三聖人図』の場合
 二.面白みへの追求―五十代作『三聖吸酢図』の場合
 三.自由奔放な個性への帰結―八十三歳作『三老吸酢図』の場合

第三章 「従心所欲不知年」の境地まで―鉄斎の隠逸世界                    
第一節 隠逸への憧れ(帰洛まで)
 一.「儒隠」の始まり
 二.「忙中の閑」、「閑中の忙」の趣
 三.隠逸への憧憬
第二節「仕」を意識しながらの隠逸生活(四十六歳〜五十九歳)
 一.「仕」の対照概念として取り上げられる「隠」
 二.庶民的な隠逸生活像の形成と「心隠」の発端
第三節「隠逸」の趣を得る(六十歳〜七十七歳)
 一.「仕」に対する感情の変化
 二.「閑」の趣
 三.隠逸生活像の具体化
第四節「従心所欲」の理想像(七十七歳〜八十代後半)
 一.儒隠の行方
 二.隠逸生活への満足と隠逸の最高境地「従心所欲不知年」

第四章 蘇東坡の世界を遊ぶ                  
第一節『笠屐図』
第二節 前後『赤壁図』
第三節『東坡帰院』と『東坡酔帰』

第五章 賛文に潜むもう一つの絵画観        
第一節 絵画に於ける伝統と独創
 一.鉄斎にとっての「師古人」
 二.古法の脱出から独創へ
第二節 「痴・奇・拙・醜」の追求           
 一.「痴」・「奇」・「拙」・「醜」
 二.自我と「心」の重視
第三節 「遊び心」と鉄斎画のユーモア          
 一.文字と絵の遊び方
 二.「神」の扱い方
 三.画中と画外の交響

終章

参考文献目録

画家別参考図版索引

あとがき

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