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白居易が生きた中唐の時代は、新しい文学〈伝奇〉が盛行した時代でもあった。そして白居易の周辺には伝奇が横溢していた。また伝奇とならんで、白居易の文学では、王昭君や李夫人・楊貴妃など多くの〈説話〉も重要な題材となっている。「長恨歌」と「長恨歌伝」に代表される白居易と伝奇の関係をはじめ、白居易と親交のある人々と伝奇、伝奇の先駆に位置付けられる『遊仙窟』、日本における伝奇・説話の受容に関する論考・資料を収録。伝奇・説話の研究史をたどり、その意義を問い直す。