カートは空です。
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全力で和平を追求した近衛首相は、外交大権を振りかざす外務省興亜派と、軍事統帥権を握る、陸軍・統制派に阻まれ、限られた裁量権の範囲内で、妥協を強いられた。開戦責任はどこにあるのか。戦犯に指定された近衛文麿は、出頭期限の前夜、親友に対して、「自分が罪に問われている理由は日支事変にあると思うが、責任の帰着を追究していけば統帥権の問題になり、窮極は陛下の責任ということになるから、自分は法廷で所信を述べるわけには行かない」と語った。
鈴木荘一(すずき・そういち)近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、その的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている。主な著書に、『明治維新の正体』(毎日ワンズ)、『日露戦争と日本人』(かんき出版)、『日本征服を狙ったアメリカのオレンジ計画と大正天皇』(かんき出版)、『アメリカの罠に嵌った太平洋戦争』(自由社)、『究極の敗戦利得者日本外務省が隠蔽する 満州建国の真実―軍事の天才石原莞爾の野望と挫折』『日中戦争はスターリンが仕組んだ』『幕末会津藩 松平容保の慟哭』『幕末の天才 徳川慶喜の孤独』『それでも東條英機は太平洋戦争を選んだ』『陸軍の横暴と闘った 西園寺公望の失意』(勉誠出版)など。