キンダイカンシノアジアトノカイコウ

近代漢詩のアジアとの邂逅

森岡ゆかり 著
ISBN 978-4-585-10437-7 Cコード 3095
刊行年月 2008年2月 判型・製本 A5判・上製 416 頁
キーワード

定価:12,980円
(本体 11,800円) ポイント:354pt

 品切 
書籍の詳細

鈴木虎雄と久保天随を中心に、近代日本漢詩人の漢詩詠やアジア体験を通して、日本とアジアの近代を読み解く。
また、「帝国意識」「皇国史観」などにも踏み込むことにより、相互の歴史認識の溝を埋める歴史的資料を提示。


※書評掲載
―――――――――――――――――――――――

「和漢比較文学」第四十二号(2009.2.1)に書評が掲載されました。(評者:福井辰彦)



 

 

目次
序章
  1 偏在する近代漢詩への関心
  2 学者・詩人・書家
  3 アジアとの邂逅
  4 本書の内容と構成

第Ⅰ部 鈴木虎雄と久保天随
 第一章 近代日本漢詩人の草山詠―鈴木虎雄と久保天随を中心に
  1 はじめに
  2 鈴木虎雄と久保天随を比較対照させる意味
  3 郷愁―鈴木虎雄の草山詠の特徴
  4 閑適の空間―久保天随の草山詠の特徴
  5 終わりに
 第二章 故郷と帝都―鈴木虎雄『葯房漫艸』をめぐって
  1 はじめに
  2 粟生津と東京
  3 匿名の故郷
  4 たったひとつの故郷―粟生津
  5 終わりに
 第三章 メディア空間における豹軒と葯房―新聞『日本』記者時代の鈴木虎雄
  1 はじめに―研究の視点
  2 他者のまなざし―桂湖村と正岡子規
  3 自己へのまなざし―虎雄の「自己の物語」
  4 終わりに―青年期の虎雄が醸成したもの
 第四章 漢詩人の異文化体験―鈴木虎雄の台北、北京、上海
  1 はじめに
  2 渡台、そして台北にて
  3 中国の大地を踏んで
  4 終わりに
 第五章 文化表象としての『游草』―久保天随のアジア旅行とその詩
  1 はじめに
  2 誰が『游草』を読んだのか。
  3 「大名旅行」としての近代観光
  4 天随の見たアジア
  5 終わりに
 第六章 久保天随と魏清徳―近代日・台文人交流点描
  1 はじめに
  2 文字の交遊―天随・魏清徳の詩社活動
  3 麗唱妍酬―漢詩に見る天随と魏清徳の交流
  4 まなざしの差異―天随と魏清徳の文化理解
  5 終わりに
 付論 戦前の台湾における日本人の建碑
 補論  鈴木虎雄の碑碣について

第Ⅱ部 唐詩読者としての近代漢詩人
 第一章 あこがれの蘇州―「楓橋夜泊」詩の日本への影響
  1 はじめに
  2 前近代における「楓橋夜泊」詩受容
  3 近代漢詩から見た「楓橋夜泊」
  4 終わりに
 第二章 鈴木虎雄の李商隠観―無題詩の研究と創作を主として
  1 研究の視点
  2 鈴木虎雄と李商隠の関係
  3 鈴木虎雄の「李義山の無題詩」について
  4 鈴木虎雄の詠じた無題詩
 第三章 久保天随の李商隠観―言説と創作をめぐって
  1 はじめに
  2 久保天随の李商隠詩理解
  3 久保天随の詠じた無題詩
  4 終わりに
 付論 晩唐詩の創出された読者
  第一章 「書」という読みのかたち
  第二章 許渾詩の伝播と受容
   1 『和漢朗詠集』・『千載佳句』所収許渾詩をめぐって
   2 伝小野道風筆許渾詩本文について
初出一覧
あとがき
中文摘要
人名索引

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