カートは空です。
商品1102/2194
恐れることはない、ぼくは思ってみた。仕事はなかった。思いにまかせて駆け落ちをした。子どもが産まれた。ひょっとしてぼくの息子は不幸な運命のもとに生まれついてしまったのか。家族をかかえ、どうにもならない状況で荒れ狂う精神をしずめることもできず何ものかから逃げ続ける日々。とりとめのない自由のなかで自分を見失ったぼくの惑いを描く「ぼくらの未来」(『火遊び』所収)など、初期の短篇作品19篇を収める。