「日本の本質はなにか」という日本人のアイデンティティに正面から迫る。
日本の活路を開くために、一木一草をいつくしむアニミズム文化と近代リアリズム精神を高度に調和させた、新たな文化国家日本像を確立し共有しなければならない。
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反日感情の強い国で、日本人・日本文化をどう説明できるのか? 核心に迫る日本文化論。
本書の内容の大筋は、私が実際に中国で行った「天皇制と日本文化」(一九九五年)と「日本文化の二重構造」(二〇〇六年)という二つの講演から成っている。
したがって本書は、日本論の中でも最も分析の難しい天皇論を、しかも天皇に対する反感が最も強い中国で語った体験を踏まえて書かれた。(本文「はじめに」より)