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本書は「仮名草子篇」「西鶴篇」に続く、『日本近世小説史』の第三冊目にあたる。談義本は、近世宝暦年中それまでの上方中心の浮世草子に代わって、新しく江戸中心の小説として出現したものである。静観房好阿の「当世下手談義」を嚆矢とし、のちに平賀源内の「根無草」「風流志道軒伝」の二作が刊行になり、寛政末まで続いた。本書はそのような談義本の変遷の系譜を明らかにし、作品毎の精緻な解説を行う。「談義本」研究は、未だ充分になされておらず、この分野では初の概観書である。