カートは空です。
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漢民族は祖先神を崇めてきた。祖先神は「神」ではない。あくまで今生きている人間につながっている、もう一つの世界の「人」であった。そしてまた、儒教は人と人との交わりの道を説いた教えであり、人と人以上のものの交わりをといたものでは決してない。このように漢民族は意識の対象として常に「人」を頭に置いてきた。人以外を基盤とした考え方、ものの見方には心を傾けることはほとんどなかったように思われる。本書は、中国最古の史書『史記』に注目することにより、こうした漢民族思考の原点を明らかにするものである。