ニホンシンワトウタノコッカ

日本・神話と歌の国家

工藤隆 著
ISBN 978-4-585-04098-9 Cコード
刊行年月 2003年12月 判型・製本 四六判・上製 304 頁
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定価:2,750円
(本体 2,500円) ポイント:75pt

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書籍の詳細

新しい時代の愛国心を、いまこそ語らねばならない。

少数民族文化と『古事記』を通して、
敗戦後の日本人が抱える「心的空洞」を読み解き、
天皇制と天皇文化の本質を浮かび上がらせる、
これまでの常識を根底から覆す日本人論!

著者紹介
くどう・たかし 1942年栃木県生まれ。東京大学経済学部卒業、早稲田大学文学研究科大学院(演劇専修)前期課程修了、同博士課程単位取得退学。日本古代文学・演劇学研究家、作家。大東文化大学文学部日本文学科教員(日本古代文学)。中国雲南省雲南民族学院・雲南省民族研究所客員研究員(1995.4-1996.3)。

 

 

目次
第Ⅰ部
 神話と歌の国家
  1 古事記の四つの顔  
  2 テレビ・ドキュメンタリー番組の変遷  
  3 辺境文化のドキュメンタリーはテレビ番組に頼れなくなった  
  4 欠落が見えにくい日本文化  
  5 折口信夫の到達点と限界  
  6 敗戦後の折口信夫の混乱を引きずる現在  
  7 良心的知識人こそが“愛国心”を語らなければならない  
  8 新憲法の象徴天皇規定と折口信夫  
  9 アジアや少数民族を“劣った存在”とみる“知性”  
  10 欠落の古層には届かない柳田民俗学  
  11 折口信夫の古代像の中世性  
  12 天皇制と大嘗祭  
  13 古事記は欠落と変質の神話書である  
  14 自民族の劣っている点を語らない古事記神話  
  (補) 折口信夫の「巡遊伶人」
   1 「巡遊伶人」と「ほかひびと」  
   2 「巡遊伶人」への道筋  
   3 「巡遊伶人」と「まれびと」  

 稲作文化と大嘗祭
  1 古代の近代化と天皇文化  
  2 古事記・日本書紀のなかの新嘗・大嘗  
  3 平安朝大嘗祭のなかの女性と稲  
  4 日本国内の稲収穫儀礼  
  5 東南アジアの稲作儀礼  
  6 大嘗祭の原像  
第Ⅱ部
 少数民族語としての“日本語”
   ─〈国家〉と少数民族的文化の共存
  1 ヤマト語から“日本語”へ  
  2 古代の近代化と明治の近代化  
  3 少数民族と国家  
  4 ヤマト族の神話と歌の残存  
  5 少数民族国家としての古代日本  
  6 国家・近代化と少数民族的文化の共存  

 歌詞の定型とメロディーの定型
  1 口頭の歌には歌詞の定型がないという誤解  
  2 記紀歌謡の定型と非定型  
  3 中世・近世の歌でも歌詞とメロディーは共に定型が一般的  
  4 少数民族の歌文化モデルでは歌詞もメロディーも定型  

 理念の歌垣と現場の歌垣
  1 歌垣と宮廷恋歌の併存  
  2 理念の歌垣のなかの歌垣像の限界  
  3 恋愛の諸局面の組み合わせ体系と「歌路」の違い  
  4 [歌垣の現場のX段階]  
  5 《第一段階》の現場の歌垣からの立論が必要  
  6 現場の歌垣の自在さと多様性  

 歌垣と歌謡─神と人の交歓
 ペー族の恋歌  



第Ⅲ部

 日本古代文学研究の危機とはなにか  
   ─『声の古代─古層の歌の現場から』を編纂して
 専門領域に立脚しつつ領域を超える  
   ─アジア民族文化学会代表就任挨拶に代えて

第Ⅳ部

 古代文学から見た「神の国」   
   ─神話と国家の矛盾構造を生きる日本
 迫られる古代日本像の再構築  
   ─アジア民族文化学会発足に寄せて
 国家に生きるムラの神話  
   ─保革の壁越える新学会誕生
 多様性の神話から単一性の神話へ  
   ─愛国主義の源泉を遡る
 “根弱草”の愛国主義    
   ─W杯サッカー・茶髪と日の丸にみる一つの希望
 共同性と個人性の分裂─近代社会とタバコ
  1 辺境の村での、タバコの幸せな共同性  
  2 幼児性・暴力性・優越感・準麻薬快感  
  3 共同性・個人性とタバコ  
  4 真のタバコ好きが生き延びる道  
  5 健康問題という視点から他者との共存という視点へ  

 あとがき  
 
 初出一覧  
 引用・参照の著書・論文・人名索引

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