※品切れ絶版
寺田寅彦の魅力―
科学者の眼から社会現象を解析し文章で描き出す「寅日子」の詩的世界は、日本古来の芸術精神をよみがえらせる。
風雅の精神の根本的要素は、心の拘束されない自由な状態である。
いま日本人が最も必要としている連想力の濃密化、それを補強するイマジネーションが、寺田寅彦というい巨人の中には鈴なりの様ように存在している。本書はその証明として、文芸連句論の中で、科学者・寅彦の研究姿勢と合致する文芸世界を究明したものである。
連句文芸
連句は、前の句につきすぎず、また離れすぎないように、連鎖的に句を詠んでつなげていく文芸である。その世界にはまった日本のダ・ヴィンチ―東大教授の科学者で、漱石の弟子である寺田寅彦と、彼の連句の魅力、その天下稀なる連想力を紹介する渾身の寅彦論。