ウイルスハドコニデモイル

ウイルスはどこにでもいる

日沼頼夫 著
ISBN 978-4-585-05073-5 Cコード
刊行年月 2002年12月 判型・製本 四六判・上製 440 頁
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定価:3,850円
(本体 3,500円) ポイント:105pt

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書籍の詳細

ウイルス病と戦いウイルス学と歩んで五十余年。
豊かな人間観に満ちみちた碩学の回想と提言。

「人類はウイルスと共生する。しかし、ウイルスの働きが生みだす病気に対しては徹底して対抗する。人類の英知をもって――。」
ウイルス学一筋、つねにその第一線で波頭を切り拓きつつ科学の創造に生きぬいた著者によるエッセイ第二集。
かぎりない学問への道程とともに日々の思索への感懐が身辺雑記の風情をもって綴られる。人を語り時代を語る厳しくも心優しい一篇一篇は、学問への真摯な精神と洞察、人びとにたいする暖かいまなざしと深い思いとに満ち溢れている。

 

 

目次
I 扉を開けて
  ウイルスは何処にでもいる
  「困った」
  新遠野物語
  アイス・マン
  夏風邪
  奇 病
  副大統領の癌
  病気・差別
  エイズの研究
  大発見と小発見
  病因論
  善玉ウイルス
  消えた病気
  続・消えた病気
  ペスト菌
  溝の中のウイルス
  鴨・豚・人とインフルエンザ
  嵐山私情
  医者が患者
  ヘリコバクタ・ピロリ
  ルボフ教授の流儀
  最も幼いイメージ
  夢
 
II 時代と人と
 仙台の時代
  蒲黄(東北大学医学部昭和二十五年卒業記念誌)──序にかへて
  知らない風景
  スキルキル河畔の恋人たち
  告 白
  道 程
  ひ げ
  ある父子
  人生百年
  未知人ガンウイルス
  ユダヤ人とピストル
  ガンのくすり
  二十五年前

 熊本の時代
  熊本での生活
  熊本日記第一頁
  ボートは光る
  明 暗
  アビニヨンの旅
  江津湖の轟音
  メキシコ湾の黄昏
  落ち葉を打つ
  夜半のめざめ
  寡言と多弁について
  うつろい──サンフランシスコにて
  阿修羅とプロテウス

 続・熊本の時代
  幻のウイルス
  医学展について──三十年前のはなし
  文化は北方で栄えるか
  熊本大学医学部微生物学教室研究業績目録──序にかえて
  高松宮妃癌研究基金学術賞受賞にあたって──高松宮妃殿下に対する謝辞

 京大の時代
  教授就任に際して
  京の便り
  ウイルス学の近未来
  一九八二年六月十一日 日誌
  僕の夢
  蛍光抗体法と私
  ハオチー! 象の鼻
  京都から──四月六日(土曜日)晴
  小学校の先生
  ハマー賞を受賞して
  ウイルスで知る古代日本人
  ウイルスと死に至る病
  若い日の私
  犬も歩けば棒にあたる
  明月庵雑記
  非業の死──松本清一さんのこと
  暗合──停年退官の前後
  京大ウイルス研界隈
  停年退官妄語
  退官御挨拶

III 医の広野にて
 シオノギ医科研の時代
  出 番
  シオノギ医科研の現状と将来の展望
  読 書
  危機一髪(一)
  危機一髪(二)
  多左衛門と久兵衛
  縄文人のこころ
  研究の動機
  楽しい教授の風景
  アタマがワルイか?
  仕事ばかりしている人生は無味乾燥だ、というけれど……
  もう一人の師
  夢よもう一度
  パイオニア──医学研究の第二幕目
  ああ、あれから二十年
  懐かしのお光さま──蛍光抗体法の日々
  医者の研究者──荒井澄夫教授開講五周年によせて
  大河内一雄さんとの付き合い
  さりげなく
  ほんまぁ
  共有した研究体験──宮本勉教授退官に当って
  青銅の文鎮──中井益代教授退任に当って
  穏やかな小児科医
  ケセン語劇「チンメァロの花」を観て
  人への思い
  病原体研究のプロとして
  ウイルスによるデザスター
  挑 戦
  ウイルスの化学療法は可能か
  ウイルスが探る日本人の起源
  人類の強敵感染症は何か?
  ウイルスと人類
  エイズの現実──悲しい医学
  エイズを考える
  エイズに関する素朴なる対話
  日本のエイズ研究とアジア
  エイズ断想
  最後の講演

 書 評
  『ウイルスの奇跡』ジダーノフ・エルショフ・ノボハッキー共著
  『腫瘍免疫学』小林博・橘武彦編
  『ウイルスと人間』甲野禮作著
  『ウイルス学』Heinz Fraenke-Conrat, Paul C. Kimball著
  『Virology』B. N. Fields編
  『ウイルスの今日的意味』石田名香雄・沼崎義夫編
  『エイズ「正しい理解のために」』塩川優一・北村敬編
  『エイズの歴史』ミルコ・D・グルメク著
  『完全犯罪研究室』の著者、由良三郎をスケッチする(集英社文庫解説)
 
IV 遁走曲のように
 山音海鳴
  医の復権
  ジョージ・クライン教授の場合
  「死」の論議の背後に
  エイズ──世界の現況
  八月になると
  ソ連幻想
  「癌」雑感
  遺伝と環境
  日本の医学──その現在
  風邪の季節
  学 長
  ウイルス
  痴呆について
  喫煙の科学
  エイズの起源
  現在エイズ対策事情
  ボストンにて
  アンネシィ湖から
  故デビッド・パティロ教授へ
  医学研究の特殊性
  エイズと「共生」
  寿 命
  自然科学と英語
  因果律

 春夏秋冬
  「炉辺閑話」と「緑陰随筆」
  虫のしらせ
  ハタハタ
  嵐山の散歩道
  モハメッド君
  ジェイ・アール
  テーブル・スピーチ
  ネアンデルタール人
  秋田・青森小紀行──平成五年秋
  読 物
  美しいものとひと
  本の広告
  泉屋クラブ
  終の住処
  「縄文」をいとおしむ
  バラクーダ
  あんパン
  京都の夏
  何かとは一体なんだろう
  小さい旅
  片岡球子さんの絵と書
  キャラメル型絵具
  釣 り
  山茶花のアポトーシス
  ウイルスから日本人の起源を探る

あとがき
初出一覧

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