三浦綾子は、自らがクリスチャンであること、伝道のために小説を書いていることを、作家としてのデビュー当初から公言してきた。作品のいたるところにキリスト教の思想が散りばめられ、自らの作品が読者を「聖書」へと導くための伝道の手段となることが、己の作家としての役割であるとの思いを、一貫して持ち続けてきた稀有な作家であった。
三浦綾子の小説世界の根底に流れているキリスト教への志向を、その人物像や生い立ち、作品から迫る。
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※日本図書館協会選定図書(第2533回)