日本の作家100人
ヒグチイチヨウヒトトブンガク

樋口一葉 人と文学

戸松泉 著
ISBN 978-4-585-05194-7 Cコード 0091
刊行年月 2008年2月 判型・製本 四六判・上製 226 頁
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定価:2,200円
(本体 2,000円) ポイント:60pt

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書籍の詳細

わが国最初の女性職業作家であり、いまや誰もが知る顔でもある樋口一葉の評伝決定版。

先人の調べ上げた年譜的事実を徹底して追求しながら、その生涯を再構築し、「書く」ことに異常なまでの情熱を傾けた作家の実像に迫る。

 

 

目次
はじめに
 1歓迎、新五千円札の一葉肖像 2大量に残存する一葉の草稿

第一章 夏子誕生へ
 1「存外之不埒仕出候」―一葉の両親 2夏子誕生

第二章 夏子、学業を断念す
 1幸福な幼少時代―「桜木のやど」で  2夏子の学歴と学業の断念

第三章 夏子、萩の舎に入門す
 1断ち切れない「学問」への思い 2萩の舎へ―「師の君」中島歌子
 3「身のふる衣 まきのいち」―〈書く〉ことの始まり 4小石川植物園の花見
 5萩の舎入塾時の夏子の書記技能 6「平民」意識のなかで

第四章 夏子、相続戸主となる
 1長兄の死 2相続戸主・樋口夏子 3父の死―夏子における父・則義 
 4渋谷三郎からの婚約解消 5女所帯の生活―家運の衰退へ

第五章 「一葉」誕生へ―小説家修業の始まり
 1小説家・花圃への羨望と技癢 2小説の師・半井桃水 3夏子の小説修業
 4「一葉」というペンネーム 5村上浪六『三日月』と一葉 
 6一葉の眼に映る浪六/浪六の眼に映る一葉 7「真情」を語る小説家への決意

第六章 「雪の日」の思い出―桃水と一葉
 1桃水への疑惑―半井家の「不祥事」 2「雪の日」の思い出 
 3小説「雪の日」のねじれ 4雑誌『武蔵野』の創刊へ 5第一作「闇桜」 
 6桃水との〈別離〉

第七章 新たな発表の場を求めて
 1実質的文壇処女作「うもれ木」 2原稿料を手に入れるために―「経つくえ」の執筆
 3『都の花』の原稿料 4「暁月夜」―森外と一葉 5「暁月夜」/「文つかひ」
 6「にごりえ」/「うたかたの記」のアナロジー

第八章 生活と創作と―書けなくなった一葉
 1小説が書けない一葉―『都の花』の次作依頼に応えて 
 2『文学界』同人との出会い―禿木の来訪 3編集者・星野天知
 4「実業につかん事に決す」 
 5「文学は糊口の為になすべき物ならず」―一葉の〈小説〉観

第九章 「塵の中」の生活―下谷区龍泉寺町時代
 1「たけくらべ」の舞台へ 2「塵の中」の生活 3再開された小説の執筆
 4「琴の音」と『文学界』 5「花ごもり」に潜む芸術への祈り 
 6「鑑術家」久佐賀義孝との接触 7「わがこゝろざしは国家の大本にあり」

第十章 終焉の地へ―本郷区丸山福山町時代
 1「水の上」の家 2小説家としての本格始動―「やみ夜」「大つごもり」「たけくらべ」
 3博文館のバックアップ―大橋乙羽との出会い
 4達観する一葉―晩年の交際の拡大と批評へのまなざしと
 5最後の友人・齊藤緑雨との出会い 

第十一章 一葉の小説世界から―晩年の人妻ものの系譜
 1人妻ものの系譜 2一葉における〈女学〉・〈女権〉思想―「この子」の「私」
 3先行するテクスト・清水紫琴「こわれ指環」への「批評」 
 4愛のためには姦通罪も恐れない―「うらむらさき」中絶の意味
 5 〈小説〉的世界の顕現へ―最後となった「われから」の世界

作品案内
年譜
参考文献
あとがき

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