1945年8月6日、午前8時15分。
そのときわたしは、ヒロシマにいました・・・。
あの日、あのとき、あのきのこ雲の下で何がおこったのか。
未来の子どもたちに伝えたい、真実のおはなし。
肉親をさがす大勢の人々に押され、市内へ向かいました。
向こうからは、焼け焦げ、半裸の人々の長い長い列がこちらへと続いています。
ぼさぼさの髪、焼けてちぎれた着物、火傷で肩からの皮膚がめくれたり、はがれたりした人たちの群れです。
皮膚をぼろ布のように指先に垂らし、さまよっています。
両手を前に突き出し、そろりそろりと歩く人々は、まるで地の底から湧いて出るようでした。(本文より)