教育のあるべき姿とは何か。その理念と歴史について最新の研究成果と見識を問う。
「教育の理念と歴史」「学校教育の実際」「比較の視点」「ゆとり教育と学力低下」
四つの視点から教育の原点を振り返り、その未来を考える
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重大なことは、日本の教育の変動が、子どもたちと常に接触している教育現場や家庭からの声で起ったのではなく、文部科学省などの一部の官僚や、その周辺にいる有識者と呼ばれる教育関係の各種委員会の委員たちの主導で起ったということです。教育は確かに国家の政策の問題ですが、何よりも大切な視点は、自分の愛する子や孫たちの未来の問題であるはずです。官主導の時流に乗じて、右往左往するだけの現状には、あるべき教育の思想も理想も存在しません。日本の教育界は、今、未曾有の混乱期を迎え、そこからの脱出の道はなかなか見えてきません。
こんな時こそ原点に立ち戻って考え直すことが必要なのではないでしょうか。(本文より)