複雑で巨大な国、インド。
英領時代、バングラデシュから、インド、パキスタンにかけての広大な地域が、『インド亜大陸』と称されたのは、複雑な様相を呈するこの地域を、一つの国としてではなく大陸に準ずる地域として受け止めざるを得なかったためと考えられる。
南アジアで政治的、経済的、軍事的に重要な地位を占めるインドを、一つの国として理解することの難しさは、今も昔も一向に変わらない。
外務省在職中からインド政治のフォローアップに努め、退官後も現代インド研究に取り組んできた著者が、この半世紀にわたりインドの経験してきた政治的変革の軌跡を幅広く捉えながら『台頭するインド』の実相と変革の真の姿を解き明かす。