【本書の特徴】
・国際化・情報化時代に十分対応できる内容を備えた。
・教育の現在に重点をおき、現場に役立つ実践的指針を示した。
・時代の要請に沿った新しい問題の項目を中心に取り上げるとともに、基礎的な項目もきちんとふまえた編集とした。
・大項目それぞれが一つの流れをもつ「読める事典」とし、個別の問題は小項目で詳しく解説した。
・キーワード・専門用語・教育活動の実践例などについての解説をコラムとして多数掲載。
・教育改革三法の改正ポイントを、変更前と変更後でわかりやすく対照した付録つき。
【編集方針】
・鮮明な問題意識と変化への対応力をもって21世紀に生き生きと生きる理想的な人間像のイメージをもちながら教育のありかたを考える。
・10の問題提起に基づいて、10の領域を設定し、教育の全体像を把握して、成長の各段階を考える。
1子どもへの深い理解と洞察をえるには?
2家庭での教育はどうすればよいのだろう?
3学校教育はどう変わるか?
4社会の変化にどう対応するのか?
5変化を続ける大学の未来は?
6情報化がもたらす教育の多様性とは?
7国際化時代をどう生きるか?
8環境教育とは?
9充実した人生のためには?
10海外の教育は?
・発達心理学など幼児教育の基礎知識のから、現代の子どもたちがかかえる諸問題、学校教育における諸問題、生涯学習問題までをカバーし、環境問題や海外教育の現状をグローバルにふまえて、21世紀の日本のあるべき教育のすがたを創造していただけるよう、この1冊で教育についての指標を得られるように編集した。
【推薦文】
「国民全体が座右に」
いまわが国では、教育をまさに180度転換するコペルニクス的改革案が矢継ぎ早に打ち出され、それに呼応する動きも活発化しつつある。学校では平成14年度から新しい学習指導要領のもとで、新たな取り組みが進められつつある。しかし、そうした動きをみていると、とかく細かいミクロなところでどうしたらよいかに悩むなかで、社会の変化、時代の流れ、子どもの変化などについての認識が甘くなっているように思われる。
本事典は、そうした21世紀の教育の在り方を具体的に考えていく場合につねに目を向けていかなくてはならない社会、時代、子どもなどについての理解を深める上で、格好の事典であると思われる。
全体は、青少年、家庭、学校、社会、高等教育、マルチメディア、地球的課題、環境教育、生涯学習、海外の教育という10の領域から構成されている。これまでは、学校と地域や社会との間に壁をつくり、かつては地域や家庭が行っていた教育機能を学校が引き受けてきたが、このシステムを転換することが現下の教育改革だといえるであろう。それは立場を越えて国民全体がかかわっていかなくては成功しないであろう。その意味で、教育関係者だけでなく、国民全体が国語辞典などと同様に座右においておくべき事典として推奨したい。
●新井郁男(放送大学教授 日本生涯教育学会会長 日本学校教育学会会長)
「最高の相談相手」
これは、だれもが「読める」教育事典といわれている。
ということは、だれもが読んで、それぞれに「考える」ことのできる事典ということであろう。決まったことを決まったように教えてきた、これまでの教育辞書また教育事典の常識からは、大胆に飛躍した、新世紀に相応しい事典と言ってよい。
家庭や学校や社会での子どもたちの生き方に関わる遊び、躾、学習、交際、等々のさまざまの局面も、もはやありきたりの受け止め方や考え方では対応できないであろう。どう考えればよいであろうか? また、時代の進展とともに開けることが予想される人間関係の多様化や生活の情報化、職業生活の流動化、新しい倫理・道徳への要請、等々の目まぐるしい社会変動に対しても、人々には活発に対応できる備えがなければならない、どう心がければよいであろうか?
この事典が、そういうおりおりでの人々の最高の相談相手となり得ることを、心から期待したいと思う。
●村井実(慶應義塾大学名誉教授)