清盛、天魔の入り替りたるにや―
清盛の暴虐ぶりは、ついに主要官僚の更迭、後白河法皇軟禁に至る。高倉天皇の譲位と安徳天皇の擁立。民は疲弊(ひへい)し、平家への怨念はつのる。奢(おご)り昂ぶる清盛に、源氏がついに叛旗(はんき)をひるがえす。
治承四年二月、安徳天皇の擁立。平家は天皇家の外戚となり、その栄華は極点に達する。奢る平家の横暴。耐えかねた源頼政は、高倉宮以(もち)仁(ひと)王を奉じて挙兵するが無念にも敗退。同年六月二日福原遷都。民の生活はますます困窮したが、栄華に酔う平家の耳に、人々の嘆きの声は届かなかった。そして源頼朝は叛旗をひるがえす。次第に翳りを帯びてゆく平家一門の栄光―