カートは空です。
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愛の賛歌。女性への畏敬。革命の風波にも堪えてこのような愛の物語が語り継がれてきた。大らかな愛を謳いつづけた作家・沈従文(1902-88)。不遇の時代を越えてノーベル文学賞候補ともなったその作品群から、日本初翻訳6篇を含め、川沿いの町の悲恋を描く代表作「辺境の町」など全9篇収録。
沈従文(しん・じゅうぶん)1902年12月28日‐1988年。中国、現代の作家、古代服飾研究家。湖南省鳳凰県(湘西トゥチャ族ミヤオ族自治州)生れ。本名沈岳煥(がくかん)。青島(チンタオ)、北京などの大学で教えつつ多くの中短篇小説を発表。兵士・娼婦・農民など下層の人々の生命力あふれる生活と健康的なエロスを大胆に描き、エキゾチックな作風が注目される。中華人民共和国建国後に、郭沫若らによって「反動的」、「ポルノ」作家として批判され、精神的に追い詰められ、以後作家活動から退き、中国歴史博物館などで文化財研究に従事。文化大革命中は長く「五七幹部学校」に下放させられていた。1981年には大部の『中国古代服飾研究』を著わして世の耳目を驚かせた。作家としては30年間ほぼ忘れ去られていたが、文革終了後に名誉回復がなるや一転して再評価され、『沈従文文集』十二巻〔1982~85年〕、『沈従文全集』三十二巻〔2002年〕などが出版される。83年にはノーベル文学賞候補者として推薦されていたが、作家活動から退いていたこともあり受賞には至らず、幻のノーベル文学賞候補者に終わった。小島久代(こじま・ひさよ)1938年中国大連市生まれ。明海大学名誉教授。お茶の水女子大学文教育学部中国文学科卒、東京大学大学院人文科学研究科中国文学専攻博士課程修了。明海大学外国語学部中国語学科教授、同大学院応用言語学研究科教授を経て、現職。専門は中国現代文学。主な著書に『沈従文―人と作品』(汲古書院、1997)、翻訳に『沈従文小説翻訳選』(明海大学外国語学部中国語学科小島久代研究室刊、中国文庫編集・製作、非売品、2007)、『湘行散記』(好文出版、2008)。共著に『中国・朝鮮文学の魅力』(ジャパン・プレス・フォト、2010)、『魯迅と同時代人』(汲古書院、1992)、『転形期における中国の知識人』(汲古書院、1999)。共訳書に『中国現代文学珠玉選Ⅰ』(二玄社、2000)などがある。
・「毎日新聞」(2014年1月26日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:張競(明治大学国際日本学部))・「北海道新聞」(2014年2月23日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:藤井省三(東京大学文学部))・「東方」397号(2014年3月)にて、本書の紹介文が掲載されました。・「西日本新聞」(2014年3月30日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:藤井省三(東京大学文学部))・「日中友好新聞」(2014年3月15日)にて、本書の書評が掲載されました。