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説話文学において「験」(ものごとのしるし=表徴、事柄の甲斐)を描くことは、大きなテーマであり、平安期以降数多くの「験記」が作られてきた。それらは今昔物語集、宇治拾遺物語等の素材として注目されることはあっても、「験記」自体を本格的に考究したものは皆無に近かった。本書において初めて験記ジャンル文学の系統的全体像の見通しを示し、一部においては、代表的な作品である11世紀中葉成立の「本朝法華験記」の成立論的作品論的分析を行った。また二部では、「本朝法華験記」以外の諸験記を紹介・分析した。