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中国思想に関する古典が概ね出揃い、それらを解釈していく時期となった後漢時代(25~220年)。技術発展を背景にしつつ、諸学が転換点を向かえるこの時代は、経学もまた最も盛んにおこなわれた時代であった。この中国思想史上の画期に、学術の根幹たる経学は如何に営まれたのか。当時の知識人の活動情況をつぶさに把握し、その経学に関する学術的営為の位置づけを考察することにより、中国思想の基盤となった後漢経学の史的展開と影響度を明らかにする。
井ノ口哲也(いのくち・てつや)1971年、兵庫県神戸市に生まれる。2006年、博士(文学、東京大学)。現在、東京学芸大学教育学部准教授。著書に『入門 中國思想史』(勁草書房、2012年)などがある。
「東方」第413号(2015年7月)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:伊藤浩志(鳥取県立米子東高等学校))