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文学作品に描かれた自然を対象とする環境文学、民族誌として記録されてきた自然を対象とする人類学。その双方の視点から、人間が鳥をどのように捉え、語り、描いてきたのかを探る。人類が地球環境に甚大なる影響を与える時代=「人新世(アントロポセン)」に、人間中心主義からの脱却と、世界/自然とのコミュニケーションを可能にする思考を提示する。
野田研一(のだ・けんいち)立教大学名誉教授。主な著書に、『交感と表象─ネイチャーライティングとは何か』(松柏社、2003年)、『自然を感じるこころ─ネイチャーライティング入門』(筑摩書房 2007年)、『〈風景〉のアメリカ文化学』([シリーズ・アメリカ文化を読む]、編著、ミネルヴァ書房、2011年)、『〈日本幻想〉 表象と反表象の比較文化論』(編著、ミネルヴァ書房、2015年)、『失われるのは、ぼくらのほうだ─自然・沈黙・他者』(水声社、2016年)などがある。奥野克巳(おくの・かつみ)立教大学異文化コミュニケーション学部教授。主な著書に、『「精霊の仕業」と「人の仕業―ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法』(春風社、2004年)、『文化人類学のレッスン―フィールドからの出発』(花渕馨也との共編著、学陽書房、2005年)、『人と動物の人類学』(山口未花子、近藤祉秋との共編著、春風社、2012年)、『文化人類学 改訂新版』(内堀基光との共編著、放送大学教育振興会、2013年)、『森は考える―人間的なるものを超えた人類学』(エドゥアルド・コーン著・共監訳、亜紀書房、2016年)などがある。
「週刊読書人」(2017年2月24日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:石倉敏明(秋田公立美術大学講師))