パーリ語、サンスクリット、漢訳、和文…
言語を越えて屹立した仏伝の世界性に目を向け、綿密詳細な文献考証と編纂における場と心性との対話により、日本初の組織的な釈迦伝たる『今昔物語集』成立の必然を問う。
著者渾身の改稿にかかる表題論文をはじめ、鋭敏かつしなやかな感性と躍動する文体により彩られた珠玉の論文23本を一堂に収載。
日本文学研究における金字塔、待望の公刊。
「人間を、世界を、そして言語を観る、深い洞察と「開かれた想像力」「チャンネルの共鳴」が横溢する。ここには文学を読み、研究することの愉楽があり、知と学の深みや飛翔が脈打っている。世紀を越えた研究史の中で、文学としての『今昔物語集』をここまで読みつくし、言挙げした研究は他にないといってよい。」
(小峯和明「刊行に寄せて」より)