正月八日より七日間、東寺長者により天皇の安寧や国家安穏を祈る真言密教の秘法、後七日御修法(ごしちにちのみしほ)。空海の奏上により始められ、長禄4年(1460)を最後に中絶することとなったこの儀式は、元和8年(1623)、162年の時を隔てて、醍醐寺80代座主義演の尽力で再興されることとなった。
「国宝 醍醐寺文書聖教」の一冊として伝わる本書は、その再興の折に自ら大阿闍梨を務めた義演が、後七日御修法に関する先例や要件等を詳細に記録した貴重資料である。全編を初めてフルカラー影印し、翻刻および解説を収載した。