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南岳衡山と聖徳太子信仰

阿部泰郎・吉原浩人 編
ISBN 978-4-585-21046-7 Cコード 3015
刊行年月 2018年9月 判型・製本 A5判・上製 352 頁
キーワード 宗教,古典,日本史,古代,中世

定価:7,700円
(本体 7,000円) ポイント:210pt

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書籍の詳細

聖徳太子は、中国の南岳衡山から、前世所持の『法華経』を持ち帰らせた。
ところがそれは弟子の経であったため、夢殿に入定した太子は、自ら青龍車に乗って、衡山まで天翔けた―。
この衡山は、かつて達摩と慧思が対面した地であり、その慧思は聖徳太子に転生し、片岡山で達摩の化身の飢人と対面した―。

日本における聖徳太子伝の核心をなす、南岳衡山をめぐる太子伝説話を出発点とし、文献・儀礼・聖遺物・絵画など各方面から、古代・中世の聖徳太子信仰の諸相を描きだす。

 

 

目次
口絵 杭全神社蔵『聖徳太子絵伝』全幅
序言 吉原浩人

第一部 南岳衡山と聖徳太子信仰
聖徳太子恵思転生伝承の展開―衡山取経説話のテクスト諸位相 阿部泰郎
南岳衡山における転生言説の展開―聖徳太子伝・絵伝にみる慧思三生・七生説と達摩東漸譚 吉原浩人
第二部 古代の聖徳太子信仰
『日本書紀』「推古天皇紀」に見える外交文書 高松寿夫
『日本霊異記』における聖徳太子 河野貴美子
『聖徳太子伝暦』における漢語表現 崔鵬偉
『扶桑略記』のなかの聖徳太子―恵思転生説を中心として 三好俊徳
聖徳太子転生言説の宗教史―ふたつの聖なる遺物をめぐる道長・頼通とのかかわりへの視座 近本謙介

第三部 中世の聖徳太子信仰
聖徳太子を祀る儀礼空間―中世法隆寺を中心として 郭佳寧
慶政と聖徳太子信仰―嘉禎四年前後以降 牧野和夫
瑞渓周鳳と『聖徳太子伝暦』―『善隣国宝記』と『臥雲日件録抜尤』をめぐって 田村航
『真宗曼荼羅』に図像化された聖徳太子信仰―いわゆる『光明本尊』妙源寺本の構造的解釈 安藤章仁

附録
絵解き台本:聖徳太子前世譚―太子衡山へ翔ぶ 郭佳寧
絵解き台本:聖徳太子的前世今生之衡山取経 郭佳寧
聖徳太子信仰・聖徳太子伝基本研究図書目録 吉原浩人

跋文―衡山シンポジウム開催の経緯など 吉原浩人
跋文―南岳衡山で聖徳太子絵伝を絵解く 阿部泰郎

執筆者一覧
プロフィール

阿部泰郎(あべ・やすろう)
名古屋大学人文学研究科附属人類文化遺産テクスト学研究センター教授・センター長、早稲田大学日本宗教文化研究所招聘研究員。
専門は、中世日本宗教文芸、宗教テクスト学。
主な著書に『湯屋の皇后―中世の性と聖なるもの』(名古屋大学出版会、1998 年)、『聖者の推参―中世の声とヲコなるもの』(名古屋大学出版会、2001 年)、『中世日本の宗教テクスト体系』(名古屋大学出版会、2013 年)、『中世日本の世界像』(名古屋大学出版会、2018 年)などがある。

吉原浩人(よしはら・ひろと)
早稲田大学文学学術院教授、早稲田大学日本宗教文化研究所所長、浙江工商大学東亜研究院客員教授、広東外語外貿大学日本語言文化学院客員教授。
専門は、日本宗教思想史、東アジア文化交流史。
主な編著書に真宗重宝聚英第三巻『阿弥陀仏絵像・阿弥陀仏木像・善光寺如来絵伝』(共編、同朋舎、1989 年)、『《燈籠佛》の研究』(至文堂、2000 年)、『東洋における死の思想』(春秋社、2006 年)、『海を渡る天台文化』(共編著、勉誠出版、2008年)などがある。

書評・関連書等

★広告情報
・「朝日新聞」(2018年10月6日)に全5段広告を掲載しました。
・「朝日新聞」(2018年11月17日)に全5段広告を掲載しました。

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