センゴクニホンノキリシタンフキョウロンソウ

戦国日本のキリシタン布教論争

高橋裕史 著
ISBN 978-4-585-22236-1 Cコード 3020
刊行年月 2019年5月 判型・製本 四六判・上製 408 頁
キーワード 交流史,日本史,戦国時代,中世

定価:5,060円
(本体 4,600円) ポイント:138pt

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書籍の詳細
禁教令発布の引き金となった抗争の内幕を描く

豊臣政権末期、日本布教の独占とその布教の在り方をめぐって論争を繰り広げたイエズス会(ポルトガル)とフランシスコ会(スペイン)。
その対立の根本的な要因とは何か。
布教方法、経済・軍事活動等に関する教皇文書を含む国内外の一次史料を読み解き、この論争が日本にもたらした影響を明らかにする。

 

 

目次
序 章

第一章 フランシスコ会のアジア進出と日本布教志向
一 スペインおよびフランシスコ会の南米進出
二 フィリピン布教の失敗
三 中国布教の頓挫
四 フランシスコ会士の非公式来日
五 秀吉外交とフランシスコ会

第二章 フランシスコ会の日本進出と日本イエズス会の対応
一 教俗両権による地球の二分割支配
二 日本イエズス会全体協議会の開催
三 「Ex pastorali officio」をめぐる諸問題
四 Schisma Japoniensisの回避
五 シクストゥス五世の小勅書をめぐって

第三章 ローマ教皇勅書をめぐる対立と解釈
一 アセンシオンの反論
二 ヴァリニャーノの反論―日本の帰属について
三 ヴァリニャーノの反論―武力改宗の是非をめぐって
四 ローマ教皇勅書の限界

第四章 経済活動という錬金術をめぐる抗争
一 錬金術をめぐる抗争の下地
二 二人のフランシスコ会士による批判
三 ヴァリニャーノの反論

第五章 日本における「叙任権闘争」の復活
一 イエズス会の日本布教の特徴
二 フランシスコ会士からの批判
三 ヴァリニャーノの反論
四 両修道会からの我々への問いかけ

第六章 軍事活動をめぐる論争―「魂」の指導者なのか、それとも「武」の指導者なのか
一 教会と武力との接近
二 イエズス会の軍事活動とその諸相
三 イエズス会の軍事活動に対するフランシスコ会の批判
四 ヴァリニャーノの反論

第七章 教団内の国家対立―宣教師たちの冷戦
一 一枚岩の崩壊
二 教団内における一つ目の不協和音―擁護論
三 教団内における二つ目の不協和音―援助行為
四 教団内における三つ目の不協和音―教団内の冷戦

終 章―江戸時代における抗争の推移

あとがき
年 表
索 引(イエズス会日本布教関係年表/フランシスコ会来日関係年表/教皇勅書等関係年表)
プロフィール

高橋裕史(たかはし・ひろふみ)
北海道生まれ。中央大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士後期課程単位修得。帝京大学外国語学部教授。
研究領域は、16~17世紀のイエズス会の世俗活動、兵器産業武器移転の歴史。近年ではラテン語の普及にも力を入れている。
主な著書に『イエズス会の世界戦略』(講談社メチエ、2006年)、『武器・十字架と戦国日本』(洋泉社、2012年)、訳書にはヴァリニャーノ『東インド巡察記』(平凡社、2005年)などがある。

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