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中国民話と日本

アジアの物語の原郷を求めて
飯倉照平 著
ISBN 978-4-585-29182-4 Cコード 3090
刊行年月 2019年5月 判型・製本 A5判・上製 376 頁
キーワード 民俗学,比較文学,説話,古典,中国,アジア

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細

万里の長城を築く労役で夫を失い、のちに悲しい民謡のヒロインとなった女性、竜に変身してしまったことに苦しむ母思いの息子、自分に恋いこがれて死んだ男のために殉死して合葬された女性…。
アジアの人々の心の底をつなぐ物語は、どのように語られてきたのか。
平安朝日本に残された断片的な記載から、現代の風説に至るまで、さまざまな資料を駆使しながら、広く説話伝承の世界を照らし出す。

 

 

目次
はじめに

Ⅰ 孟姜女民話の生成
 孟姜女について―ある中国民話の変遷
 孟姜女民話の原型

Ⅱ 中国民話と日本
 『竜の子太郎』のふるさと
 中国の狐と日本の狐
 中国の「三大童話」と日本
 董永型天女説話の伝承と沖縄の昔話

Ⅲ 中国民話の世界
 ある悲恋心中譚の系譜
 中国民話掌編
   鬼とトケビ/牛の皮一枚の土地/泡んぶくの敵討/赤い眼の予言
   中国の夢の話/兎と亀のかけくらべ
 ことわざの本
 周作人と柳田国男
   柳田国男と周作人/柳田国男・周作人・谷万川
   宮武外骨と南方・柳田、そして周作人/周作人とフォークロア(研究回顧)

Ⅳ 中国の「現代民話」
 中国の現代民話に見る日本
 台湾の民話・民謡集に見える「日本」
 中国「東北」をめぐる民間伝承

Ⅴ 研究回想
   李福清さんのこと/中国の民間文学研究とわたし(ボリス・リフチン)/
   鍾敬文さんのこと/大林太良さんのこと/伊藤清司先生の仕事/
   『中国民話集』の前後/「中国民話の会」の歴史

初出一覧

解 説
  飯倉照平さんの中国民話研究 石井正己
プロフィール

飯倉照平(いいくら・しょうへい)
1934年千葉県生まれ。東京都立大学人文学部文学科(中国文学専攻)卒。出版社勤務ののち、神戸大学文学部教員、雑誌『中国』編集部、平凡社版『南方熊楠全集』校訂者ののち、1974~97年、都立大教員。南方熊楠邸の資料整理に協力。2004年南方熊楠特別賞受賞。
著書に『南方熊楠 森羅万象を見つめた少年』(岩波ジュニア新書、1996年)、『中国の花物語』(集英社新書、2002年)、『南方熊楠 梟のごとく黙坐し居る』(ミネルヴァ日本評伝選、2006年)、『南方熊楠の説話学』(勉誠出版、2013年)、訳書に『中国民話集』(岩波文庫、1993年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「口承文芸研究」43号(2020年3月)に書評が掲載されました。
 →評者:立石展大(高千穂大学教授)

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